診療の4つの柱の中でも特に、内視鏡を用いた診断・治療は、早期がん治療やIBD診療をはじめ、あらゆる消化管疾患につながっている分野です。地域のクリニックや市中病院でも内視鏡検査を行える時代になりましたが、当院はより高度な診断や難しい病変の治療に積極的に取り組んでいます。
当院の内視鏡センターでは、設備を毎年更新し、常に最先端の機器を導入しています。また、設備面だけでなく人的面においても、専門性の高い医師はもちろん、看護師や技師といったコメディカルスタッフも非常に充実しているため、患者さんをお待たせすることなく、数日以内には検査を行うことができます。昨今は主流になっている、鎮静剤を使用した内視鏡検査も、早期の予約が可能です。検診などで異常が見つかった患者さんは、大きな不安を抱えているものです。そんな患者さんたちの「早く診断・治療してほしい」というニーズに応え、当院はできる限り迅速な対応を行っています。

当院は、国内でも有数のIBD診療数を誇る施設です。近年は国内の患者数が急増しているIBDですが、治療が複雑化かつ高度化しているため、地域の先生方も治療方針に悩むケースが増えているかもしれません。私は、大学病院と地域の先生方が一緒にIBD患者を診療していくのが理想だと考えています。まずは当院にご紹介いただき、重症度を評価した上で、必要であれば当院で治療を行い、病状が落ち着いている時期はかかりつけ医の先生に診療していただきながら、年に数回は当院で精密な検査や治療の方向性の確認を行う。そういった形で、うまく連携を取って診療していくのが理想的ではないでしょうか。実際に当院ではそのような連携の事例も増えつつあります。ご紹介いただくタイミングによって、治療介入の時期が遅れてしまうと、患者さんにとってデメリットになる場合もありますから、一つの目安としては、ステロイド剤の使用を検討する段階で一度当院にご紹介いただけると良いのではないかと思っています。

IBDをはじめ、消化管疾患には慢性の疾患も多いため、大学病院と地域の先生方との病診・病病連携が非常に重要です。密な連携なくしては病気と長期的に向き合っていくことはできませんし、患者さんの利便性を高める上でも、大学病院とかかりつけ医の先生の役割分担が必要ではないでしょうか。「大学病院は敷居が高い」というイメージをお持ちの先生もいらっしゃるかもしれませんが、決してそんなことはありません。「大学の先生、専門の先生の意見を一度聞いてみようかな」といったご相談でも気兼ねなくしていただければと思いますので、高度な診断・治療から一般的な疾患まで、何かお困りのことがあれば気軽にご連絡ください。