おかげさまで周知も進み、これまで一番多いときで100人を超えるお申し込みをいただきました。申し込み数に対し、平均約7割の方が実際に視聴してくださっています。たとえば、オンサイトの会合で参加者を30人集めるのは大変ですが、Webだと現地に出向く必要もありませんし、交通費も要りません。コロナ禍前にはこんな風に情報を発信するようになるなんて考えていませんでしたが、今では兵庫医科大学のスタジオから月１回ニュースをお届けするような感覚で開催しています。

先述した「最も視聴者数が多かった回」とは、実は歯科口腔外科の岸本先生が講師を務めた回で、歯科だけでなく、いろんな科の先生が参加してくださいました。歯科の領域というのは他科にもいろいろと関連があるのですが、専門性が高く、そういったセミナーがあってもわざわざ行こうという気にはなりにくいものです。しかし、Webなら「ちょっと聴いてみるか」と思われた先生方も多かったのだと思います。気軽に診療科の垣根を越えられるところがオンラインセミナーのいいところだということを教えられました。

他に、認知症の回にも多くのお申し込みをいただきました。ご自分の専門でなくても、クリニックを受診される患者さんの中には認知症の方も少なからずいらっしゃいます。「届いたURLをクリックするだけで他科の話が聴ける」、おそらくこれが良いのだと思います。当院の講師陣は皆、話をすることに慣れたベテラン揃いですので、30分できちっとまとめてくれます。上手い具合に、あまりに専門的にならないように。実は、司会者である私が毎回とっても勉強になっています。

視聴者からの質問やコメントもZOOMのチャット機能を使ってお受けしています。その場ではなかなか出てこないものですが、どうぞ遠慮なくお寄せください。また、本当はご覧いただいている先生方全員にカメラをONにしていただいて、「お互いに顔が見える環境があればいいなあ」と思うのですが、それは今後徐々にということで、運営側にも余裕ができてアドリブが効くようになってきたら取り組んでいきたいと考えています。

ちなみに、オープニングとクロージングで流れるのは兵庫医科大学の校歌です。実は私、この校歌のメロディーと歌詞が大好きなんです。16小節あるのですが、オープニングは8小節、背景には季節の写真（※これ私が撮っています）、エンディングは16小節のフルバージョンで，兵庫医科大学の校舎を背景に歌詞が映ります。音源は、もともと医療支援センターにいらっしゃって、その後、大阪音楽大学に進まれた方にピアノを弾いていただき、録音しました。

サタデーモーニングセミナーの参加申し込みは回ごとが基本ですが、年間予約してくださっている先生も30人ほどいらっしゃって、ありがたい限りです。

医療支援センターとしての今後の課題は「ICTをどう活用していくか」だと思います。どれだけ兵庫医科大学病院のホームページを見てもらって、「兵庫医大病院に紹介しよう」と思ってもらえるかです。地域医療連携の根幹は、地域の先生方に“兵庫医大のファン”になっていただくことです。そのためにも、たとえば会員専用サイトを立ち上げて、便利で役立つ様々なコンテンツをご提供したいと思います。たとえば、当日見逃した方向けに、サタデーモーニングセミナーのアーカイブを視聴できるようにすることも考えています。

また、地域の先生から患者さんをご紹介いただく場合、現状ではFAXでお受けしています。受信して、担当医に連絡し、現在の状況や受け入れの可否、日時などを確認して返信します。これは私の知る限り、もう30年変わっていない旧態依然とした人海戦術です。最短でも15分、担当医の確認を取っていたりするともっと時間がかかってしまい、その間、先方で患者さんをお待たせすることになります。公共交通機関の予約をとるように、いずれはこれを会員専用サイトで即時予約が取れるようにオンライン化したいと考えています。サタデーモーニングセミナーから始めたICT活用が、この先もっと広がっていけばいいなあと考えています。