研究代表医師ごあいさつ
(循環器内科 主任教授 石原 正治)
周術期微小循環障害は経皮的冠動脈形成術(PCI)により破壊されたプラーク内容物の破片が、細動脈レベル以下を塞栓することにより生じ、周術期心筋梗塞の原因となります。
周術期微小循環障害の予防にはスタチンを用いた脂質低下療法が有用であることが知られていますが、高用量スタチンを用いても8%に周術期心筋梗塞を生じるとの報告もあります。
PCSK9阻害薬は高用量スタチンを上回るLDLコレステロール低下効果に加え、動脈硬化および血栓形成に関係するLp(a)を低下させることから、PCI前に投与することにより周術期微小循環障害を予防することが期待されます。
EVOCATION研究は高LDLコレステロール血症を有する安定冠動脈疾患患者を対象として、2~6週間のPCSK9阻害薬(エボロクマブ)治療により周術期微小循環障害が軽減することを、冠微小循環の臨床的な指標であるthe index of microvascular resistance(IMR)を用いた探索的臨床研究にて評価することを目的としています。
EVOCATION試験により、PCSK9阻害薬の冠動脈プラークに対する早期安定化作用についての知見が得られることが期待されます。
研究概要
研究課題名
経皮的冠動脈形成術施行患者におけるエボロクマブの周術期微小循環障害に対する軽減効果を検討する臨床研究【EVOCATION研究】
臨床研究実施計画番号
研究代表医師
兵庫医科大学病院 循環器内科 主任教授 石原 正治
研究目的
経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行した高LDLコレステロール血症を有する安定冠動脈疾患患者を対象として、通常治療と比較して、エボロクマブ治療において周術期微小循環障害が軽減することを探索的臨床研究にて評価する。
研究施設
施設番号 | 施設名 |
---|---|
01 | 兵庫医科大学病院 |
02 | 弘前大学医学部附属病院 |
03 | 日本大学医学部附属板橋病院 |
04 | 日本医科大学付属病院 |
05 | 横浜市立大学附属市民総合医療センター |
06 | 順天堂大学医学部附属静岡病院 |
07 | 岐阜県総合医療センター |
08 | 大阪急性期・総合医療センター |
09 | 桜橋渡辺病院 |
10 | 関西労災病院 |
11 | 広島市立広島市民病院 |
12 | 熊本大学病院 |
13 | 済生会熊本病院 |
14 | 宮崎市郡医師会病院 |
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