先進医療の取り組み

先進医療の取り組み

先進医療の取り組み

特定機能病院の高度医療で
患者さんと真摯に向き合いながら
医学の進歩に貢献していきます。

篠原 尚 副院長/上部消化管外科 主任教授(診療部長)

インタビューイメージ

特定機能病院として
「先進医療」を提供

 兵庫医科大学病院は、高度医療を提供するための設備や人員、研究体制などの要件を満たし、厚生労働大臣より「特定機能病院」の承認を受けています。2022年5月現在、特定機能病院は全国に87施設ありますが、兵庫県内にあるのは当院を含めて2施設のみ。阪神間という地域に根づき、高度医療の提供や、高度の医療技術の開発・評価を行っていくことが、当院の役割の一つです。

 また、本院では、公的医療保険で認められた診療(=標準治療)はもとより、「先進医療」の提供も積極的に行っています。先進医療とは、厚生労働大臣が定める高度な医療技術を用いた療養のことです。2022年5月時点で84種類あり、当院では次の先進医療の承認を受けています。

  • S-1内服投与、シスプラチン静脈内投与及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法(消化管内科,上部消化管外科)
  • 術後のアスピリン経口投与療法(下部消化管外科)
  • タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養(産科婦人科)
  • 子宮内膜刺激術(産科婦人科)

 先進医療は、公的医療保険の対象とすべきかどうかを評価する「評価療養」に位置づけられています。病院で行う診療には、公的医療保険が適用される「保険診療」と、医療費を患者さんが全額負担する「自由診療」があり、原則として保険診療と自由診療の併用は認められていません。しかし、先進医療については、保険診療との混合診療が認められており、技術料以外の診察・検査・投薬・入院料などには公的医療保険が適用されます。

 先進医療を実施した結果として効果や安全性が評価されれば、標準治療になることもあります。つまり、大学病院として先進医療を提供することは、患者さんの選択肢を増やすばかりでなく、将来の標準治療を作り上げることにもつながるのです。

医療の進歩をけん引する
兵庫医科大学病院

 新しい医療技術が先進医療として認められるまでには、数々の治験や研究が重ねられます。そういった過程に関わることも、大学病院の重要な役割です。5年先、10年先の医療を常に見据えながら、医療機器や設備、研究体制などをしっかりと整え、医療の進歩に積極的に携わっていくことが本院の姿勢であり、責務であると考えています。

 また、兵庫医科大学病院では、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)やその方の人生に気を配った上で、最もふさわしい治療の選択肢を提示できるよう、最新鋭の設備や技術を導入しています。

 たとえば、手術支援ロボット「ダビンチXi」。ダビンチによる手術は開腹手術と比べて傷口が小さいため、患者さんへの負担が少ないことや術後合併症のリスクが低いことなどが特徴です。手術を受けられた患者さんの満足度も高いと感じています。保険適用の範囲も広がっており、当院においては「前立腺がん」「腎がん」「胃がん」「直腸がん」「肺がん」「縦隔腫瘍」「子宮筋腫」「咽喉頭がん」でダビンチを用いたロボット手術の実績があります。これらの手術も、先進医療として提供する中で効果や安全性が立証され、標準治療として認められたものです。このほか、当院においてはゲノム医療やロボットリハビリテーション、AI(人工知能)の導入も進んでいます。

 先進医療を含む高度な医療を実施できる、高いレベルの力量と経験を有する医師を育てることも、大学病院の使命です。当院では、学生をはじめ、研修医や若手の医師が、実践しながら専門的な知識や技術力を高めることができるよう、効果的な人材育成の体制を構築しています。また、特定機能病院として、ほかの施設からの見学・研修を受け入れ、新しい技術を全国の医療機関に広めていく役割も果たしています。

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めざすのは
「選ばれる病院」

 兵庫医科大学病院のめざすべきところは「選ばれる病院」であると思っています。病気が見つかったときに「兵庫医科大学病院で治療を受けたい」と患者さんに選んでいただける、あるいは、地域の医療機関の医師に「兵庫医科大学病院に紹介しよう」と思っていただける――そんな病院にするために、医療技術の向上や最新鋭の医療機器・設備の導入はもちろんのこと、医療サービスの質の向上を図るための満足度調査の実施や、「クオリティ・インディケーター」(医療の質を表す指標)の公表および分析・改善など、ハード・ソフト両面から取り組んでいます。

 また、医療安全について、例えば新しい医療技術を初めて導入する際は、それが標準治療であっても、高難度新規医療技術評価委員会の承認を得ることを義務づけるなど、医療安全管理部を中心に徹底した安全管理を行っています。

 同時に、地域の医療機関との連携を円滑に進めることも、医療支援センター長を兼務している私に課せられた課題と考えています。現在は、地域の医療機関の医師に対して定期的にオンラインでのリモート講習会を開催するなどして、当院が行っている先進医療や高度な医療についてお伝えしています。また、一般の方々や患者さんに対しても、治療の選択肢を増やし、納得した上で治療法を選択していただけるよう、わかりやすい情報発信に努めています。

 高度な医療にかかわるのは、医師だけではありません。看護師や臨床検査技師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、事務職員など、兵庫医科大学病院で働く約2,700人のすべてのスタッフが連携して、一人ひとりの患者さんに最もふさわしい医療の提供に力を尽くしています。これからも、私たち兵庫医科大学病院は、大学病院ならではの総合力で患者さんの安心を支えるとともに、医学の進歩に貢献していきます。

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しのはら ひさし 篠原 尚副院長/上部消化管外科 主任教授
(診療部長)

専門分野
  • 消化器(食道・胃・十二指腸とくに腹腔鏡手術)
  • 臨床解剖
資格
  • 医学博士
  • 日本外科学会(外科専門医・指導医)
  • 日本消化器外科学会(消化器外科専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医)
  • 日本内視鏡外科学会(技術認定医・プロクター)
  • da Vinciコンソールサージャンライセンス取得者
  • 日本肥満症治療学会(役員)

交通アクセス

最寄り駅
阪神電鉄「武庫川駅」西出口より徒歩5分
住  所
〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1-1

外来受付のご案内

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月~金曜、土曜(第3) 8:30から16:45

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