解説

前年度に引き続き症例数第1位は、頻脈性不整脈（心房細動等）に対して経皮的カテーテル心筋焼灼術（アブレーション手術）を施行した症例となっております。次いで、狭心症に対する心臓カテーテル検査・治療、心不全に対する精査加療となっております。また、当院では24時間体制にて循環器救急疾患をＣＣＵで受け入れており、第５位の急性心筋梗塞症など可及的速やかな対応が必要となる症例も多く診療しています。

解説

血液内科は無菌室20床を含む45床を有しており、悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫に対して化学療法を多く実施しています。加えて造血幹細胞移植（骨髄移植・末梢血移植・臍帯血移植）にも力を注いで診療にあたっています。その他、血友病・再生不良性貧血・血小板減少性紫斑病に対する治療も行っております。

造血幹細胞移植に関して、DPC症例ではないため上記には掲載しておりませんが、急性白血病に対して造血幹細胞移植を行った症例が37件、非ホジキンリンパ腫に対して造血幹細胞移植を行った症例が32件と実質２位、３位に相当する症例数となっています。

解説

症例数１位から３位は全身性臓器障害を伴う自己免疫疾患に対する治療であり、具体的な傷病名は多発性硬化症・皮膚筋炎・全身性エリテマトーデス・結節性多発動脈炎・ベーチェット病等です。ガンマグロブリンを用いる症例が２位、リツキシマブを用いる症例が３位となっています。

次いで多いのは関節リウマチに対する症例です。また、関節リウマチに起こりやすい全身病として、間質性肺炎など肺疾患の合併症も多くみられます。

解説

副腎腫瘍や原発性アルドステロン症に対する加療が前年度に引き続き症例数１位となっています。精査（副腎静脈サンプリング）を行う症例も増加し４位となっています。副腎皮質機能低下症など、その他の内分泌疾患に対する精査・加療は５位となりました。

また、糖尿病に対する教育入院や精査目的の入院、他科での術前・術後の血糖コントロール目的の入院が多く、症例数２位３位を占めています。このように糖尿病認定看護師、療養指導士、栄養士、薬剤師とともに、他科で治療を受けられる方に対しても積極的に共観し一丸となって疾患のコントロールに取り組んでおり、共観した他科入院も含めると約1,500名の入院患者さんに対応しています。

解説

当院の消化管内科は高度な内視鏡治療手技を特長としており、前年度に引き続き大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を行う短期入院が症例数第1位です。上部消化管の悪性腫瘍症例は増加しつつあり、胃の悪性腫瘍に対する内視鏡手術の症例が昨年度５位から今年度４位となりました。

２位はクローン病に対しインフリキシマブ、ウステキヌマブを用いる症例です。当院の炎症性腸疾患内科は、近年国内の患者数が増加し注目されている潰瘍性大腸炎、クローン病、腸管ベーチェット病などの炎症性腸疾患に対し、専門的で高度な内科的診療を行っています。また、新規薬剤の治験にも力をいれています。

３位は肝・胆・膵内科にて総胆管結石、急性胆管炎、閉塞性黄疸に対し内視鏡的胆道ステント留置術、内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術（ＥＮＢＤ）等の手術を行う症例です。当院は兵庫県唯一の肝疾患連携拠点病院であり、外科や放射線科との密な連携のもと肝臓に関する高度な医療の提供に注力しており、慢性肝炎、肝・肝内胆管の悪性腫瘍も多く治療しています。

解説

症例数1位から3位、5位が肺の悪性腫瘍に関する症例です。1位は検査（気管支鏡検査、ＣＴガイド下肺生検、超音波気管支鏡下穿刺吸引生検法、気管支ファイバースコピー）目的での短期入院です。2位、3位は抗悪性腫瘍剤を使用した薬物治療を目的とした症例です。近年分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤の出現等により、治療の進歩が進んでおります。遺伝子検査等を実施しながら根拠に基づいた最善の治療を行う事を心がけています。

また、4位は間質性肺炎の治療となっています。難治性のものが多く、慢性的な呼吸困難をきたしうる代表的な疾患ですが、当院では専門的見地からステロイドや免疫抑制剤、抗線維化薬などによる治療を実施しています。

解説

症例数1位は昨年度同様、慢性炎症性脱髄性多発神経炎・ギランバレー症候群等に対するガンマグロブリン療法となっております。2位、3位はパーキンソン病に対する治療で、昨年度より症例数が多くなっています。多発性硬化症の症例が４位、多系統萎縮症などに対する症例が５位となっています。当院は兵庫県神経難病医療ネットワーク支援協議会の協力病院であり、難症例にも積極的に取り組んでおります。

解説

昨年度と同様、慢性腎臓病に関連した症例が上位を占めております。症例数1位は、慢性腎臓病に関連した症例に対する一般治療目的の入院となっており、続いて、シャント造設術及び透析導入目的の入院が症例数2位、シャント造設術目的の入院が症例数3位、シャント造設術後の透析導入目的の入院が症例数5位となっております。また、腎生検目的の入院が症例数4位となっております。近年は、ネフローゼ症候群に対する一般治療目的の入院も多くなってきております。

解説

当院ではNICU15床、GCU12床が稼働しており、産婦人科との連携のもと重症新生児に対する高度医療を実践しています。NICUでは、低出生体重児、新生児一過性多呼吸、新生児低体温などの症例が症例数1位となっています。

一方小児科では気管支炎による入院が第2位となっており、昨年よりも増加傾向にあります。次いで食物アレルギーに対する負荷試験目的の入院や、糖原病・尿素サイクル異常症など代謝性疾患の割合も高くなっています。

解説

昨年度と同様、胆石性胆のう炎、胆のうポリープ等に対し腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した症例が症例数１位であり、増加傾向にあります。２位は鼠径ヘルニアに対し腹腔鏡下手術を施行した症例で、前年度５位から２位になり増加しています。３位は肝癌に対し肝切除術を施行した症例で前年度と同じ症例数になっています。４位は膵癌に対し手術を施行した症例で、前年度に比べて若干減少となりました。５位は胆のう結石症に対し腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した症例です。当院は国内でも有数の肝胆膵領域の手術数を誇る施設であり、肝胆膵外科学会の高度技能医修練A施設に認定されています。内科・放射線科とも密に連携し、最良のタイミングでの手術治療を行っております。

解説

鼠径ヘルニア・臍ヘルニアに対する手術を目的とした症例が1位、2位を占めています。日帰り手術が多いため、平均在院日数が短くなっております。また、急性虫垂炎などの救急疾患にも夜間休日を問わず対応しており、虫垂炎に対する手術症例が3位となっています。尿膜管遺残、尿膜管のう胞などの先天性下部尿路疾患に対し手術を行う症例が昨年度より増加し、4位となっています。次いで停留精巣に対する手術症例が5位となっています。小児の身体的負担を減らし傷跡を目立たなくする目的で、腹腔鏡下手術を多く行っています。

解説

昨年同様、第1～4位症例は胃・結腸の悪性腫瘍、炎症性腸疾患（潰瘍性大腸炎・クローン病）の症例となっております。全症例とも手術を施行しています。

当院の上部消化管外科では胃がん・食道がんに対し安全で負担の少ない内視鏡下手術を多く行っています。胃の悪性腫瘍に対し腹腔鏡下胃切除術等を行う症例が1位となっています。この中には、より正確で安全性の高い操作が可能な手術支援ロボット「ダヴィンチ」による手術も含んでおり、症例数は増加傾向となっております。

また、下部消化管外科においては結腸の悪性腫瘍に対し腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術等を行う症例が2位、直腸肛門の悪性腫瘍に対し腹腔鏡下直腸切除・切断術等を行う症例が5位となっています。直腸肛門の悪性腫瘍に関しては可能な限り肛門括約筋温存手術を行っており、2018年末より手術支援ロボット「ダヴィンチ」も導入し、件数は増加傾向にあります。

炎症性腸疾患外科におけるクローン病に対する小腸切除術等が2位、潰瘍性大腸炎に対する結腸切除術等が3位を占めています。クローン病に関しては、短腸症候群防止のため可能な限り切除範囲を小さくする術式を選択しています。潰瘍性大腸炎に関しては、当院は本邦一の手術症例を有しています。どちらに関しても腹腔鏡手術を取り入れ身体に負担の少ない手術を目指すとともに、術後の合併症や疾患の再発を減らすべく内科と連携して治療にあたっています。

解説

ほとんどの症例が乳房の悪性腫瘍に対する治療目的の入院です。

症例数1位、3位は乳房部分切除術目的の入院であり、昨年より増加しています。腋窩部郭清を伴う手術が1位、伴わない手術が3位となっています。腋窩部郭清を行うと腕がむくんだり、腋の下の突っ張りやしびれが生じることがあるため、当院ではセンチネルリンパ節だけ摘出し、手術中に転移があるかどうか病理部で調べ、転移がない場合には腋のリンパ節を切除しない方法をとっています。

２位、４位は化学療法目的の入院です。術前の化学療法により乳房温存率を高めるケースや、術後の化学療法により再発予防をするケースがあります。５位の症例は具体的には乳腺腫瘤に対する腫瘍摘出術などがあげられます。

解説

5症例いずれも手術を目的とした入院です。

当院では胸骨を切らずに、肋骨の間を5～７cmほど小さく切開して手術するMICS（ミックス）と呼ばれる低侵襲性心臓手術を積極的に行っています。条件さえ合えば基本的にほぼ全ての弁膜症手術、冠動脈バイパス手術、心臓腫瘍（粘液腫など）、心内血栓除去、心房中隔欠損閉鎖術、不整脈手術をMICSの対象としています。

症例数1位は狭心症、慢性虚血性心疾患に対する冠動脈バイパス移植術です。3位は弁膜症に対する弁置換術等、4位は胸部大動脈瘤に対する大動脈瘤切除術等、5位は急性大動脈解離、解離性胸部大動脈瘤に対し手術（大動脈瘤切除術、冠動脈バイパス移植術等）を行う症例です。

２位は、腹部大動脈瘤等に対しステントグラフト内挿術を行う症例です。ステントグラフト内挿術は、循環器内科との協力のもとMICSとカテーテルによるステント治療を組み合わせて行う血管内治療のひとつで、開胸を伴わない低侵襲な手術です。

解説

症例数1位は肺の悪性腫瘍に対し手術を行う症例で、主に胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術を行っています。また、肺の悪性腫瘍に対する検査入院が4位となっています。肺がん早期症例に対しては胸腔鏡手術や区域切除など侵襲性の低い手術を目指しています。また、2019年度はさらに正確で安全性の高い操作が可能な手術支援ロボット「ダヴィンチ」も導入し、より高い根治度を得るため日々取り組んでいます。

また、当院は悪性胸膜中皮腫の手術件数が日本最多の施設であり、悪性胸膜中皮腫の手術目的に全国から多くの紹介をいただいています。悪性胸膜中皮腫に対し化学療法を行う症例が2位、胸腔鏡下試験切除術等を行う症例が3位、肺悪性腫瘍手術（壁側・臓側胸膜全切除、胸膜肺全摘等）を行う症例が5位となっています。平均在院日数は全国平均より短い傾向にあります。

解説

症例数1位は、脊柱管狭窄症に対するミエログラフィー検査目的での短期入院です。ミエログラフィー検査は神経圧迫の部位や程度を評価する検査で、これにより手術予定の患者さんの病態を正確に把握し最良の手術方法を決定します。

スポーツ継続を希望される場合や、可動域が良好な原発性・変形性膝関節症に対し、人工関節置換術等を行う症例が2位、骨切り術を行う症例が3位、骨内異物（挿入物）除去術を行う症例が5位となっています。2位の人工関節置換術等を行う症例、5位の骨内異物（挿入物）除去術を行う症例は昨年度よりともに増加しています。

靱帯や半月板の損傷に対しては、関節鏡を用いた小皮切で低侵襲の手術を行っております。

また、腰部脊柱管狭窄症に対し脊椎固定術を行う症例が4位となっています。この症例の平均在院日数は昨年度より短くなっています。

解説

上位5症例は手術を伴う症例です。

症例数1位の眼瞼下垂症手術は、患者さんの状態に応じ３種類の手術を行っています。局所麻酔で１入院に両眼の治療をされる方が多く３日間の入院期間となります。

症例数2位、3位、5位の症例は、あらゆる部位の皮膚腫瘍摘出手術であり、部位によっては局所麻酔で施行され、１週間ほどの入院期間となります。

4位は顔面骨折に対し鼻骨骨折徒手整復術、眼窩ブローアウト骨折手術等を行う症例です。

このようにあらゆる部位を対象とした診療をしており、各分野の専門医が揃っている大学病院の強みを活かして緊密な連携のもと治療にあたっています。

解説

主に未破裂脳動脈瘤に対しカテーテル検査を行う症例が1位、脳血管内手術（カテーテル手術）を行う症例が2位、開頭でのクリッピング手術を行う症例が3位となっております。

当院は未破裂脳動脈瘤や超急性期脳梗塞に関するカテーテル治療において国内トップレベルの経験を有しておりますが、中でも未破裂脳動脈瘤に対するフローダイバーター留置術などを積極的に行っております（これは2位の症例に含まれます）。1位の症例は昨年度も同様に1位でしたが、数でみると50例増加しています。

４位は内頚動脈狭窄症、脳動脈狭窄症などの脳血管障害に対しカテーテル検査を行う症例、５位は脳出血に対し保存的加療を行う症例です。

解説

特定機能病院の皮膚科として入院診療に重点を置き、皮膚悪性腫瘍・重症皮膚疾患・皮膚難病の急性期の治療を中心に診療・教育・研究を行っています。

症例数1位の皮膚悪性腫瘍に対する単純切除術、2位の下肢静脈瘤に対する抜去・切除術の症例はほぼ前年度と同じ症例数でした。

3位の膿胞性乾癬に対するインフリキシマブ投与（レミケード投与）等は前年度のほぼ倍近くの症例数になっています。4位の皮膚良性腫瘍に対する切除術の症例数も前年度より増加しています。5位の症例は薬物過敏症に対するアレルギーテストの症例となっています。

解説

症例数1位は前立腺がんに対し前立腺針生検法を行う症例、3位は腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術支援機器使用)を行う症例、5位はカバジタキセル・アセトン付加物投与の化学療法施行の症例であり、いずれも前立腺がんに関する症例です。

2位は腎移植後急性拒絶反応で入院の症例、4位は腎悪性腫瘍に対して（腹腔鏡下）腎（尿管）悪性腫瘍手術、腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術支援機器使用)を施行した症例となります。昨年度との比較においては、4位の腎がんに対する手術症例が増加しております。

腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術、腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術ともに手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入し、身体的負担の少ない手術を実現しています。

解説

症例数1、2位、4、5位は産科の症例です。1位は、既往帝王切開（開腹歴のある妊婦）に対して帝王切開術施行のケースが最多となります。２位は、切迫早産の管理入院となっています。切迫早産では他院より搬送され、管理入院後予定週数で安定したため紹介元病院へ転院されるケースがあり転院率が上がっております。症例数4位は、切迫早産、多胎妊娠などの入院で帝王切開術等を施行されたケース、５位は高位破水などによる入院から帝王切開術等施行のケースとなります。2013年にMFICU(母体胎児集中治療室)が併設され、2015年には総合周産期母子医療センターに指定された背景から、近隣施設からの搬送も増加し、地域における周産期医療の中核としての役割はさらに大きくなっています。

症例数3位は婦人科において、子宮体癌・頸癌に対し子宮悪性腫瘍手術又は腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術等を施行した症例です。昨年よりも増加しており、昨年度5位から今年度は3位となっています。

また、婦人科領域では2019年度より手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いた腹腔鏡下腟式子宮全摘術を行っており、より低侵襲的な手術を目指しています。

解説

上位５症例はすべて手術を伴った治療であり、症例数1位の白内障は、2日間～3日間での入院期間で、片眼ずつ治療されるケースが主流です。術後合併症である眼内レンズ脱臼の治療も含まれます。

2位の斜視は、局所麻酔・球後麻酔・全身麻酔での治療で、患者様の状態に応じ6種類の手術を行っています。

3位から5位の緑内障・網膜剥離・黄斑は加齢を伴う疾患であるため白内障手術と一緒に治療をされるケースが多く、10日間ほどの入院期間となります。一入院で日にちを分けて両眼手術される患者様も多いことが特徴です。

解説

症例数1位は真珠腫性中耳炎や慢性化膿性穿孔性中耳炎等に対し鼓室形成手術を行う症例です。耳小骨の温存術・再建術の二通りがあり、また、乳突削開術を併施することがあります。

2位は慢性副鼻腔炎に対し内視鏡下鼻・副鼻腔手術を行う症例で、鼻中隔湾曲症やアレルギー性鼻炎に対する手術を併施することがあります。できる限り鼻内から内視鏡下に手術を行うことで体への負担を少なくしています。

3位は耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍等に対し腫瘍摘出術を施行する症例、4位は顎下腺がん、咽頭がん、声門がん等に対しセツキシマブ投与の化学療法を施行する症例、5位は喉頭蓋炎、扁桃周囲炎に対し手術はせず加療する症例で、昨年度より増加しています。

解説

放射線科では血管塞栓術やラジオ波焼灼療法を積極的に実施しております。

前年度までは、肝・肝内胆管の悪性腫瘍に対して施行する肝動脈化学塞栓術（ＴＡＣＥ）が症例数1位でありましたが、2019年度は2位となりました。代わって1位となったのは、腎腫瘍に対する凍結療法です。腎腫瘍に対してはラジオ波焼灼療法が多く施行されていましたが、保険適用になってからは凍結療法が主に施行されるようになっています。

4位は動脈瘤に対し血管塞栓術を行う症例、5位は肝がんに対し肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法を行う症例です。

解説

日本ペインクリニック学会の指定研修施設にも指定されている当院は、大学病院であるメリットを生かし、必要に応じて他の診療科と連携しながら痛みの軽減を図ります。

症例数1位の帯状疱疹、3位の腰部脊柱管狭窄症等の治療に関しては、硬膜外ブロック、神経根ブロック、脊髄刺激療法等の疼痛除去を目的とした治療を行います。

2位は脊椎椎間板ヘルニア、4位は椎弓切除後症候群等に対し脊髄刺激療法を行う症例です。脊髄刺激療法は脊髄に微弱な電流を流す治療法で、効果が得られることを確認した後で刺激装置を体内に埋め込み、必要に応じて電気刺激の調節を行い痛みを和らげます。

解説

当院の救急科では救命救急センターに運ばれた方の治療を行っており、対応する疾患は多岐に渡ります。1位は昨年度と同様に急性薬物中毒の症例となっておりますが、症例数は昨年より増加しております。

2位・3位・5位は外傷の治療症例です。大腿骨骨折に対し人工骨頭挿入術、人工関節置換術などを行う症例が2位、頭部打撲、脳振盪、外傷性くも膜下出血等に対し保存的加療を行う症例が3位、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術などの手術を行う症例が5位となっています。

4位は敗血症、敗血症性ショックに対し処置を行った症例で、昨年度より増加しています。

また、当院の救命救急センターには兵庫県内唯一の熱傷センターも併設しており、上位5位には入っておりませんが、重度熱傷症例の治療も行っております。

解説

症例数1位、3位、5位は、帝王切開児症候群・B群溶連菌感染母体より出生した児・新生児黄疸などの症例です。新生児仮死蘇生術等の手術を行う症例が3位、手術に加えて人工呼吸や中心静脈注射を行う症例が5位となっています。

2位は、4位は低出生体重児の症例です。4位の手術も新生児仮死蘇生術等です。

長期の入院となる重症新生児は小児科（NICU）へ転科することが多いため、新生児科の平均在院日数は全体的に短くなっております。