
病院長
池内 浩基
いけうち ひろき
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専門分野
- 炎症性腸疾患の外科治療
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資格・経歴等
- 日本外科学会 専門医・指導医・代議員
- 日本消化器外科学会 専門医・指導医・評議員
- 日本大腸肛門病学会 専門医・指導医・評議員
- 日本消化器病学会 専門医・指導医・財団評議員
- 日本消化管学会 専門医・指導医・代議員・理事
- 日本炎症性腸疾患学会 専門医・指導医・理事
- 日本腹部救急医学会 専門医・教育医・評議員
- アジア炎症性腸疾患機構 監事
- 厚労省難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 班員
- 医学博士
【病院部門】
- 炎症性腸疾患外科 診療部長(2014-)
- 医療安全管理責任者(2022-2024)
- 副院長(2019-2023)
- 病院長(2024-)
患者さんとご家族に満足いただけるよう
多職種連携「チ-ム医療」の体制を強化します。
この度、2024年4月1日付で阪上雅史前病院長の後任として兵庫医科大学病院の病院長に就任いたしました。この責任ある役割を拝命しましたことは、私自身にとって大変光栄であり、同時に当院が直面している課題の解決に対する強い責任を感じております。
兵庫医科大学病院の歴史を顧みますと、1972年4月に468床の病院として開設。現在の主病棟である1号館は1973年8月に完成し、病床数も1,150床に増床されています。その後約50年にわたり、医療の最前線で優れた成果を上げてきました。現在の当院の病床数は963床で運用されており、2022年度の入院の延べ患者数は約27万5千人、外来の延べ患者数は約58万3千人、総手術数は9,672件の特定機能病院となっています。当院には41の標榜診療科とともに、がんセンター、放射線医療センターや私の主な診療領域である炎症性腸疾患センターなど30の中央診療施設があります。
阪上前病院長の5年間の大半は新型コロナウイルス感染症との戦いでした。特定機能病院である当院は感染症指定病院ではありませんが、新型コロナウイルス感染症重点医療機関として大学病院としての機能を維持しつつ、入院患者さんの院内感染を最小限に抑え、外部から搬送される重症感染者に対するECMOや人工呼吸器を用いた治療も行ってまいりました。新型コロナウイルス感染症は5類感染症に移行しましたが、散発的な感染者は現在も発生しており、緊張感を維持しながら今後も診療を続けてまいります。
現在優先される医療は、新たな医療技術の開発だけでなく、患者さん一人ひとりを中心としたチーム医療の推進です。コロナ渦では感染対策チームが非常に重要な役割を果たしてきましたが、このほか、栄養サポートチーム、呼吸ケアチームなど、当院では現在18のチームが活動を行っています。我々は、チーム医療を推進し、患者さんにとって最高の治療環境を提供することができるように努めてまいります。
本学は開学50周年時に同一法人内の兵庫医療大学と統合し、医学部、薬学部、看護学部、リハビリテーション学部の4学部を擁する医療系総合大学として再出発しました。最先端の医療を提供するためには、優れた医療人材の育成も不可欠です。医学部領域では医師法が改正され、学力と技術を確認する全国共通の試験に合格した学生はStudent Doctorと称することができ、指導医の監督のもと一定の医行為を行うことが可能となりました。また、その評価は360度評価といって、指導医だけでなく、パラメディカル(医師以外の医療従事者)や患者さんの評価も必要となります。評価をお願いした際には、ぜひ厳正な評価をお願いしたいと思います。
いよいよ今年度より医師の働き方改革が実行されます。医師の労働時間の短縮のためには医療スタッフへのタスクシフトも重要です。本学には他施設にも門戸を開いた「看護師特定行為研修課程と認定看護師教育課程」などもあり、タスクシフトに必要なパラメディカルに対する教育も積極的に行っています。また、地域の医療機関の医師の働き方改革にも貢献したいと考えています。
2026年秋の開院をめざして、現在、阪神高速道路の北側に、15階建て801床の新病院棟を建設中です。新病院棟の完成により療養環境は現在よりも大幅に改善されます。私の任期中に新病院棟への移転も行われます。十分にシミュレーションを行い、安全な移転を成し遂げたいと思っています。
最後に、上記のような目標を達成するためには、病院を取り巻く全ての方々の支援と協力が不可欠です。医療スタッフ一人ひとりの献身的な努力、地域社会や関連機関との連携、そして何よりも患者さんとそのご家族の理解と支援が必要です。私は、皆様と共に、兵庫医科大学病院をさらに発展させ、より多くの人々に貢献できる病院をめざしていきたいと思っています。皆様のご理解とご支援を今後ともよろしくお願い申し上げます。
2024年4月