はじめに
兵庫医科大学病院(以下、当院)は、安全で質の高い医療を提供するとともに、患者さんの権利を尊重し、最適な医療を行うことを心がけております。
一方で、ごく一部の患者さんやご家族、及びその関係者(以下、患者さんやご家族等)から常識の範囲を超える要求や人格を否定する言動があり、その中には暴言や暴力、脅迫、セクシャルハラスメント等、当院の職員及び他の患者さんやご家族等の尊厳を著しく損なう迷惑行為も見受けられます。
これらの行為はペイシェントハラスメントに該当するものであり、当院の職場環境や診療環境の悪化を招く重大な問題となっております。そのため、当院職員及び他の患者さんやご家族等の人権を尊重し擁護することを目的とし、「兵庫医科大学病院 ペイシェントハラスメントに対する基本方針」を策定いたしました。
ペイシェントハラスメントの定義
患者さんやご家族等からのクレームや言動のうち、当該クレームや言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段や態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段や態様により、病院職員の就業環境及び他の患者さんやご家族等の診療環境等が害されるものをいいます。
対象となる行為例
※以下の記載は例示であり、これらに限られるものではありません。
(1)患者や家族等からの要求内容に妥当性がないもの
- 要求の内容が、病院が提供する医療サービスの内容とは関係がないもの
(2)要求を実現するための手段や態様が社会通念上不相当なもの
ア 要求内容の妥当性に関わらず不相当とされる言動
- 身体的な攻撃(暴行、傷害)
- 精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉棄損、侮辱、暴言)
- 威圧的な言動
- 土下座の要求
- 継続的な(繰り返される)言動、執拗な言動
- 拘束的な言動(不退去、居座り、監禁、長時間の電話や対応)
- 差別的な言動
- 性的な言動
- 職員個人への攻撃、要求
- 器物の破壊
- 業務スペースへの立ち入り
イ 要求内容の妥当性に照らして不相当とされる言動
- 交通費の請求や診療費の不払い要求
- 金銭補償の要求
- 謝罪の要求
上記の定義および行為例は、厚生労働省作成の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」に基づき策定しています。行為例は例示であり、ペイシェントハラスメントはこれらに限定されません。
ペイシェントハラスメントへの対応
当院は、これまでと同様に、患者さんやご家族等からのご意見やご要望には真摯に対応してまいりますが、ペイシェントハラスメントに該当する行為に対しては、職員及び他の患者さんやご家族等を守るため、診療のお断りや院外退去など毅然とした対応を行います。また悪質な言動および犯罪行為と判断したものに対しては、警察や弁護士などの外部専門家と連携し、法的措置なども含め厳正に対処します。
患者さんやご家族等のみなさんへのお願い
多くの患者さんやご家族等のみなさんにおかれましては、上記に該当するような事案もなく、当院の診療を受けていただいておりますが、万が一、患者さんやご家族等からペイシェントハラスメントに該当する行為がありましたら、本基本方針に沿って対応いたしますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
当院は、今後も引き続き、患者さんやご家族等のみなさんとのより良好な関係を築いていけるよう努めてまいります。