肝・胆・膵外科
肝胆道、膵臓など腹部消化器系実質臓器の外科手術を担当します。特に原発性/転移性肝がん、胆道がん、膵がんなど悪性腫瘍を対象とすることが多いです。この分野は最も効果的な治療が外科切除であることが多く、治療経過の中で重要な役割を占めることになります。臓器や解剖学的特徴から、複雑な術式や時間のかかる術式も少なくないため、手技取得に時間がかかるものもありますが、それだけにチャレンジしがいがあるとも云えます。また最近は、手術手技の発達に伴い超長時間の手術は著減しており、通常勤務時間前後に術式終了することが多くなっていて、従来のイメージとは異なると思います。
兵庫医大では、腹腔鏡手術、術中光学イメージングの併用、最新の化学療法を併用した集学的外科治療などを積極的に導入しており、国内をリードする立場にあります。したがって、手術症例数や最先端の臨床技術導入という点で、充実した研修環境を提供できると考えています。
経験できる主な症例
基本的に、ほぼすべての肝胆膵外科手術の経験が可能です(腹腔鏡下膵頭十二指腸切除は現在準備中)。大量肝切除+血管再建といった大規模手術のみでなく、胆嚢摘出(約120例/年)や鼠経ヘルニア(約40例/年)といった一般的な術式も多数施行しており、研修中に術者としての術式経験を積んでいくことも十分に可能です。
また腹腔鏡肝切除は肝切除全体(約100例/年)の半数であり、最新の術式に触れる機会も多いといえます。また、集学的治療に触れる機会が多いため、各がん腫の化学療法、分子標的治療、免疫療法とその副作用マネジメントのスキル取得も充分に可能です。
経験できる手技・スキル
肝胆膵分野においては外科手技のみでなく、周術期管理や化学療法、内科と連携した診断手技、放射線科と連携したIVR手技など、多岐にわたる経験を積むことになります。
ただし、特定臓器分野の外科関連手技取得のみで、外科医として完成されていくことはあり得ません。兵庫医大消化器外科では、各臓器別ではなく各科横断的な外科研修プログラムにのっとって研修が行われます。そのため、上下部消化管、炎症性腸疾患、肝胆膵領域につき広く経験及び手技取得の機会が得られます。
したがってすぐに特定分野に絞らずに、まず消化器外科への進路を取ったうえで、みなさんの適正や希望に合わせた手技取得、キャリア形成が可能となります。
週間スケジュール
月曜日 | AM8:00消化器外科合同カンファレンス | 16:30術前カンファレンス |
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火曜日 | 手術 | 手術 |
水曜日 | 病棟周術期管理 | 病棟周術期管理 |
木曜日 | 手術 | 17:30から肝胆膵Cancer board |
金曜日 | 手術 | 病棟周術期管理 |
土曜日(第一・三週) | 病棟周術期管理 |