社会医学 予防医学部門
21世紀は予防医学の時代といわれていますが、がんとともに心疾患や脳血管疾患などの動脈硬化性疾患の予防による健康寿命の延伸はQOL向上とともに医療費抑制の観点からも重要です。私たちの講座では動脈硬化性疾患に関して、疫学および実験の両面からアプローチして、疾患予防に役立つ新知見を探求しています。これらには身近な生活習慣関連事項の分析や最先端の分子生物学的実験やバイオインフォーマティクスも含まれ、柔軟なスタンスで研究を展開しています。また、2012年度から兵庫県丹波篠山市において、同市の保健福祉部の協力のもとで、動脈硬化性疾患予防目的の疫学研究(篠山研究)を実施しています。
主な研究分野
生活習慣病のなかでも、特に心疾患や脳血管障害の基礎病変として重要である動脈硬化のリスク要因および病態と関連した疫学研究および実験研究を行っています。疫学研究では、飲酒、喫煙、運動、食事、栄養などの生活習慣と動脈硬化との関連性について分析しています。また、動脈硬化性疾患の予防に役立つバイオマーカーについて研究しています。実験研究では、動脈硬化の病態と関連する血管平滑筋細胞、内皮細胞、血小板の機能に関する実験を行っています。そして、疫学研究または実験研究により見出した新知見を互いの研究により検証することをめざしています。