診療科について
ご挨拶
手術の進歩は日進月歩。今や食道がんも胃がんも、より専門性の高い施設で治療を受ける時代です。
当科では大学病院の使命として最先端の手術をご提供するのはもちろん、いろいろな併存疾患をもったリスクの高い方の手術もお引き受けしています。
また、肥満や糖尿病、社会の高齢化に伴い今後増加が予想される食道胃逆流症など、がん以外の疾患に対する外科治療も行っています。
篠原 尚 (しのはら ひさし) 診療部長
診療体制
食道、胃の外科治療を専門とする7名の医師で入院・外来患者さんに対応しています。
うち5名が日本内視鏡外科学会技術認定医、3名が手術支援ロボット「ダビンチ」のライセンス取得者です。
高度な専門医療
・食道がん、胃がんに対して内視鏡(胸腔鏡・腹腔鏡)を使った、体への負担の少ない手術を行っています。
・より正確で安全性の高い操作が可能な手術支援ロボット「ダビンチ」による胃がん手術を保険診療として受けていただけます。
・高度に進行した食道がん、胃がんも、抗がん剤治療と組み合わせることで手術による根治をめざします。
・高度肥満症・糖尿病に対する外科治療として、胃を細くする手術(腹腔鏡下スリーブ状胃切除術)を実施しています。
主な検査・設備
主な対象疾患と診療内容
胃がん
腹腔鏡に熟練したチームで治療を行っています。「ダビンチ」を用いたロボット支援手術も保険診療で受けていただけます。また高度進行胃がんに対する化学療法後のコンバージョン手術も多く手掛けています。
食道がん
胸腔鏡と腹腔鏡を用いて体への負担の少ない手術を行います。高度進行食道がんに対しては、消化器内科と連携して化学(放射線)療法と組み合わせた集学的治療を行います。
食道胃接合部がん
食道と胃の境目に発生するがんで、食生活の欧米化に伴い近年増加しつつあります。難易度の高い手術ですが、内視鏡を使って腹部と胸部の双方向から操作する術式を開発し、実施しています。
胃GIST
胃内視鏡(胃カメラ)と腹腔鏡手術を併用した胃切除術を行います。
食道裂孔ヘルニア
逆流性食道炎の症状が内科治療で改善しない場合、腹腔鏡を用いた修復手術を行います。
食道アカラシア
狭窄が内科的治療で改善しない場合、腹腔鏡を用いて筋層を切開する手術を行います。
高度肥満症・糖尿病
腹腔鏡を用いて胃を細長くする手術を行います。糖尿病・内分泌・代謝内科や精神科神経科、臨床栄養部とチームを組んで治療にあたっています。
診療実績
2022年の診療実績
胃悪性腫瘍(経腹操作による食道胃接合部がんを含む) | 術式別 | 幽門側胃切除 | 47 |
胃全摘 | 20 | ||
噴門側胃切除 | 9 | ||
局所切除 | 4 | ||
その他 | 9 | ||
合計 | 89 | ||
アプローチ別 | 開腹 | 16 | |
腹腔鏡 | 33 | ||
ロボット支援 | 40 | ||
合計 | 89 | ||
食道悪性腫瘍 | 術式別 | 頸部吻合 | 33 |
胸腔内吻合 | 4 | ||
合計 | 37 | ||
アプローチ別 | 開胸 | 0 | |
胸腔鏡 | 37 | ||
合計 | 37 |
2021年の診療実績
胃悪性腫瘍(経腹操作による食道胃接合部がんを含む) | 術式別 | 幽門側胃切除 | 51 |
胃全摘 | 20 | ||
噴門側胃切除 | 12 | ||
局所切除 | 9 | ||
その他 | 9 | ||
合計 | 101 | ||
アプローチ別 | 開腹 | 11 | |
腹腔鏡 | 48 | ||
ロボット支援 | 42 | ||
合計 | 101 | ||
食道悪性腫瘍 | 術式別 | 頸部吻合 | 24 |
胸腔内吻合 | 3 | ||
合計 | 27 | ||
アプローチ別 | 開胸 | 1 | |
胸腔鏡 | 26 | ||
合計 | 27 |
2020年の診療実績
胃悪性腫瘍(経腹操作による食道胃接合部がんを含む) | 術式別 | 幽門側胃切除 | 52 |
胃全摘 | 19 | ||
噴門側胃切除 | 6 | ||
局所切除 | 8 | ||
その他 | 1 | ||
合計 | 86 | ||
アプローチ別 | 開腹 | 11 | |
腹腔鏡 | 32 | ||
ロボット支援 | 42 | ||
合計 | 86 | ||
食道悪性腫瘍 | 術式別 | 頸部吻合 | 27 |
胸腔内吻合 | 4 | ||
合計 | 31 | ||
アプローチ別 | 開胸 | 0 | |
胸腔鏡 | 31 | ||
合計 | 31 |