診療科について
ご挨拶
舟木 壮一郎 (ふなき そういちろう) 診療部長
診療体制
手術症例は肺がんや悪性胸膜中皮腫、縦隔腫瘍のほか、気胸や膿胸、胸部外傷を含む呼吸器外科全般を守備範囲としています。原則胸腔鏡手術による手術を行い、進行がんでは化学療法や放射線治療を組み合わせ、より根治度の高い治療をめざしております。院内の各所と協力し、阪神間の最後の砦として頑張ります。
高度な専門医療
・肺がん早期症例に対しては胸腔鏡補助下もしくはロボット支援下での手術を基本としています。
・心臓・大血管合併切除、パンコースト腫瘍、椎体胸壁合併切除、筋皮弁による再建などの拡大手術やハイリスク症例に対しても院内の各科と連携を取りながら対応いたします。
・当院は、悪性胸膜中皮腫の手術件数が日本最多の施設であり、日本のオピニオンリーダーです。
・悪性胸膜中皮腫の手術目的に全国から多くの紹介をいただき、年間50例以上の症例数です。
・縦隔腫瘍に対しては胸腔鏡下での切除を行っております(進行例・巨大腫瘍以外)。
主な対象疾患と診療内容
悪性胸膜中皮腫
職業および環境曝露が問題となっているアスベスト禍の悪性胸膜中皮腫について、現在は次世代の臨床研究を進めております。中皮腫センター(旧、中皮腫・アスベスト疾患センター)を有する当院へ患者さんが集中し、経験する症例は全国でも最多です。当科は悪性胸膜中皮腫における呼吸器外科治療の専門チームとして研鑽を重ねております。
原発性肺がん
早期がんでは胸腔鏡手術や区域切除術など体への侵襲の低い手術をめざし、進行がんでは他科との協力体制のもと周辺臓器合併切除等の拡大手術を行っております。呼吸器内科・放射線科・病院病理部との合同カンファレンスによる検討の上で、質の高い集学的治療と、より高い根治度を得るための手術治療を実施しております。
縦隔腫瘍
現在は原則、胸腔鏡下での切除を行っております。一方、集学的治療を要する進行例に対して、胸骨正中切開による拡大手術も積極的に行う方針です。
転移性肺腫瘍
大腸がん・腎がん・肝がんはじめ多岐にわたる領域のがん・肉腫の肺転移に対して手術を行っております。また当院 放射線科と協力し、ハイブリッド治療(外科切除とラジオ波治療の組み合わせ)を行うことも可能です。
気胸
自然気胸のほか、肺気腫や間質性肺炎に伴う続発性気胸や月経随伴性気胸など特殊な気胸に対する経験も豊富です。
胸部外傷
緊急症例については当院救急救命センターと連携を取りながら対応いたします。
膿胸・縦隔炎
急性膿胸は適切な時期に適切な対応が必要です。必要と判断した際は直ちに緊急手術(来院後24時間以内)を行う方針としています。また感染管理については当院の感染制御部(ICT)と連携を取りながら行います。
重症筋無力症(胸腺腫)
重症筋無力症の治療の一環として、胸腔鏡か拡大胸腺(胸腺腫)切除術を、当院 脳神経内科と連携を取りながら対応いたします。
診療実績
2022年の診療実績
全手術件数 | 428 |
うち胸腔鏡(縦隔鏡を含む)など内視鏡手術 | 298 |
ロボット支援手術 | 71 |
原発性肺がん | 139 |
悪性胸膜中皮腫根治手術(胸膜切除/肺剝皮術、胸膜肺全摘出術) | 56 |
転移性肺腫瘍(大腸癌肺転移など) | 30 |
縦隔腫瘍(重症筋無力症を含む) | 42 |
気胸 | 26 |
膿胸 | 21 |
2021年の診療実績
全手術件数 | 367 |
うち胸腔鏡(縦隔鏡を含む)など内視鏡手術 | 240 |
ロボット支援手術 | 60 |
原発性肺がん | 137 |
悪性胸膜中皮腫根治手術(胸膜切除/肺剝皮術、胸膜肺全摘出術) | 35 |
転移性肺腫瘍(大腸癌肺転移など) | 22 |
縦隔腫瘍(重症筋無力症を含む) | 42 |
気胸 | 25 |
膿胸 | 24 |
2020年の診療実績
全手術件数 | 372 |
うち胸腔鏡(縦隔鏡を含む)など内視鏡手術 | 246 |
ロボット支援手術 | 46 |
原発性肺がん | 137 |
悪性胸膜中皮腫根治手術(胸膜切除/肺剝皮術、胸膜肺全摘出術) | 41 |
転移性肺腫瘍(大腸癌肺転移など) | 38 |
縦隔腫瘍(重症筋無力症を含む) | 22 |
気胸 | 21 |
膿胸 | 30 |