PET/CT検査は、がんの早期発見にたいへん有効な検査方法です。
PETとは?
PET(ペット)は、Positron Emission Tomographyの略で、「陽電子放射断層撮影法」という意味です。このPETは、人の細胞の化学的な働き(代謝)を画像で見ることができる優れたがんの検査方法の一つです。
がん細胞が「正常細胞に比べて3〜8倍のブドウ糖を取り込む」という性質を利用するため、目印をつけたブドウ糖に似た物質(18F-FDG)を体内に注射し、全身をPETで撮影します。すると18F-FDGが多く集まるところがわかり、がんが発見できます 。
PET/CTとは?
代謝をみるPETと形態をみるCTを組み合わせて一体化したものがPET/CTです。
当センターのCTは全身を20秒ほどで撮影できますので、同じベッドに20分ほど横になっていただいている間に全身の両方の撮影が済みます。形態をみるCTが代謝をみるPETに加わったことによって、がんの診断はさらに大きく進歩しました。
PET/CTのメリット
PET/CT検査には以下のようなメリットがあります。
[1]PETとCTの画像を融合することにより、たいへん精度の高い診断が可能になりました。
PETの「細胞の活動状態」とCTの「形態の変化」の画像を組み合わせることによって、がんの位置だけでなく、がんの進行度や良性・悪性の鑑別など、より精度の高い診断が可能となりました。
[2]一度に全身のがん検査ができるため、予想外の部位での発見や転移も診断できます。
[3]すでに一つのがんにかかった方では、別のがん(重複がん)ができやすくなります。全身を検査しますので、これらのがんの早期発見に役立ちます。
[4]PET/CT検査により、より適切な治療方法を選択することができます。
[5]放射性薬剤を注射しますが、副作用の心配はありません。また、放射線量も胃の透視検査(バリウム検査)とほぼ同じです。
[6]検査時間は約2〜3時間ですから負担も軽く済みます。
検査費用について
●保険適用が可能な患者様の場合:保険適用が3割負担の場合、自己負担金は2万5千円〜3万円となります。●保険適用ができない患者様の場合:自由診療となりますので、自己負担金は10万円となります。※詳細につきましては、兵庫医科大学病院PETセンターにお問い合わせください。