病院長から皆様へ~コロナ禍においても安全で質の高い大学病院をめざして~
2020年3月1日、兵庫県で1例目となる新型コロナウイルス感染が西宮市で発生して以来、当院では全職員が一丸となって感染に対処してきました。特定機能病院である当院は感染指定病院ではありませんが、重点医療機関として、ECMOや人工呼吸器、高流量酸素投与を行う重症患者さんを2021年4月までの14カ月間で126人受け入れ、感染症外来では1,300人以上もの患者さんの診察を行いました。幸いにも、現在まで職員2,800人中PCR陽性者はわずか6人のみで、クラスタ-の発生もありません。1,000床規模の病院では珍しいことです。
これも、多職種連携による“one team”の成果だと感じています。1995年1月に阪神・淡路大震災が発生した時は、当時の院長のもと、医師やメディカルスタッフ、事務、そして学生も皆が被災直後から地域医療のために働きました。その頃から当院のDNAにチーム医療が刻み込まれているからか、昨年11月、初めて職員から新型コロナウイルス感染者が出た時にも、皆が力を合わせて接触歴のある250人余の遺伝子検査を1日半のうちに行い、全員陰性の結果を得た上で、2日後には通常診療に戻すことができました。医師や看護師、事務、広報そして臨床検査技師の頑張りが大きかったと思います。
これからも当院ではone teamを合言葉に、コロナ禍のこの難局を乗り切って行く所存です。国内の感染状況を見るともうしばらく大変な日が続きそうですが、皆様も体調管理にはくれぐれも気をつけてお過ごしください。私たち医療従事者も頑張りますので、もう少し、一緒に頑張っていきましょう。
2021年5月
兵庫医科大学病院 病院長
阪上 雅史
投稿日:2021/05/06