兵庫医科大学病院
放射線科

肺がん(放射線治療)

疾患概要

我が国において、肺がんはがんによる死因の第1位となっています。60歳以上に多く、喫煙者に多い疾患です。喫煙率は低下しているものの、高齢化の影響もあり、増加を続けています。

原因・症状

原因の一つとして、喫煙があげられます。喫煙開始した年齢が若く、喫煙量が多くなるほどリスクが高くなります。受動喫煙(家族や同僚の喫煙に伴う副流煙を、自分の意思とは関係なく吸い込んでしまうこと)も原因になるとされています。その他、アスベストなどの有害物質の暴露や、PM2.5などの大気汚染、高齢などが発生の原因となります。

早期には自覚症状は見られません。進行してくると、咳、痰、血痰、息切れ、胸痛などの症状が出てくることもありますが、肺がんに特有の症状というものはありません。

検査

肺がんの早期発見には、検診が必要です。40歳以上になられたら検診をおすすめします。肺がんが疑われたときには「胸部CT検査」を行います。その他、痰の細胞検査を行います。さらに、リンパ節や全身の転移の検査のため、頭部MRIやPET-CT検査を行います。がんかどうか、がんの種類を確定させるため、気管支鏡検査や経皮的針生検などを行います。

治療

腺がんや非扁平上皮がんといった「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」では治療方法が異なります。

非小細胞肺がんに対して、I・II期においては、一般的に手術が行われます。III期になると化学療法と放射線治療が行われることが多く、遠隔転移があるIV期では化学療法が行われます。I期、II期肺癌に対して、高齢や持病の理由で手術が困難な場合には、放射線治療が行われます。特に、I期肺がん(肺に限局し3㎝以下)の場合には「体幹部定位放射線治療」(画像1・2)が行われ、良好な局所制御成績が報告されています。当院では、Elekta SynergyとVersaHDという放射線治療装置を使用しています。照射時間は5分程度と短時間で、入院の必要もありません。

メッセージ

近年、がん治療における放射線治療の役割が見直され、精度の高い放射線治療が注目されていますが、この治療がふさわしいかの慎重な判断が求められます。ご自身の病状と治療方針について、主治医の先生とよくご相談ください。

放射線科

放射線科ってどんな科?

みなさんは放射線科がどんなことを行う科かご存知でしょうか。一般的な放射線科の仕事は、画像を扱って診断や治療を行うことです。
兵庫医科大学病院 放射線科では、CTやMRI、PETを用いて病気の診断を行うほか、カテーテルを用い血管の中からがんや子宮筋腫などを治療したり、狭くなった血管を拡げて症状を取る"IVR(アイ・ブイ・アール、血管内治療)"という仕事も行ったりしています。
最近はRFA(ラジオ波焼灼療法)といって、がんを焼いてしまう根治性の高い治療も行っていますし、2019年からは、がんを凍らせる最新治療、凍結療法も可能になります。もちろん、放射線治療も放射線科の仕事です。

今後も最新機器導入の検討を進め、最先端のハイテク技術を用いて、がんと戦っていきます。

山門 亨一郎(やまかど こういちろう)診療部長

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〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1-1

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