兵庫医科大学病院
上部消化管外科

高度肥満症

疾患概要

近年、日本でも肥満の方が増えてきています。肥満は糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病に罹っていることが多く、そうした一連の健康障害をメタボリック症候群といいます。

体格の基準としてBody Mass Index (BMI = 体重(kg)÷[身長(m) X身長(m)] という指標が一般的に使われており、これが35を超えると高度肥満とされます。高度な肥満を伴っている方の糖尿病は,食事療法や運動療法、一般的飲み薬やインスリン注射などの内科的治療では改善しにくいことが知られていますが、最近、手術によって肥満、糖尿病を治療する方法が注目されています。

原因・症状

肥満に伴う健康障害はたくさんあります。例えば、糖尿病、心臓・脳の血管性疾患、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症(痛風)、脂肪肝、月経異常、膝痛や腰痛、睡眠時無呼吸症候群など、数え上げるとキリがありません。肥満が改善すると、これらの健康障害も改善すると言われています。

ただし、高度肥満症に対する手術療法は次のような疾患を持った患者さんに限られます。BMIが35以上の患者様で「糖尿病」「高血圧」「脂質異常症」「睡眠時無呼吸症候群」(合併する病気の状態によっては,BMIが32.5~34.9の患者様も手術適応となる場合もあります)、これらに該当する方で手術療法に興味のある方は当科減量手術外来にお問い合わせください。

検査

高度肥満症の患者さんは通常より手術リスクが高いため、手術治療を検討する際には「手術を安全に受けていただけるかどうか」を調べるための各種検査を受けていただきます。また、手術によって合併する病気がどれくらい改善するかを確認するために、術前(治療開始前)と術後(通常1年後)に1~2週間の検査入院をしていただきます。

治療

現在、我が国で行われている肥満手術の約90%は腹腔鏡下スリーブ状胃切除術という方法です。これは、胃の外側の部分を約80%程度切り取ってバナナのように細くし、3~4口(約100cc)も食べればお腹がいっぱいになるように胃の容量を小さくする手術です。

術後は、食事が少しずつしかとれなくなるので摂取エネルギーが減り、結果的に体重が減少します。個人差がありますが平均30%の減量につながります。また、胃に入った食物は長時間とどまらず、素早く腸に移動します。結果、糖を代謝するホルモンの分泌が変化して糖尿病が改善すると考えられています。手術の後、それまで使っていた糖尿病内服薬やインスリン注射が少なくなったり、不要になったりすることが数多く報告されています。

チーム GENRYO (減量)

兵庫医科大学病院では、実際に手術を行う外科医、糖尿病内科医、精神科医、管理栄養士、手術室看護師、病棟看護師、理学療法士からなるTEAM GENRYOを結成し、定期的にカンファレンスを行いながらチームで減量手術にあたっていますので安心して治療を受けていただけます。

上部消化管外科

時代に応じた、専門性の高い手術・治療を行います

私たちは、上部消化管(主に食道と胃)疾患の外科治療を中心に、1)治る手術、2)安全な手術、3)負担の少ない手術 をモットーとして診療を行っています。
手術の進歩は日進月歩。今や食道がんも胃がんも、より専門性の高い施設で治療を受ける時代です。
当科では大学病院の使命として最先端の手術をご提供するのはもちろん、いろいろな併存疾患をもったリスクの高い方の手術もお引き受けしています。
また、肥満や糖尿病、社会の高齢化に伴い今後増加が予想される食道胃逆流症など、がん以外の疾患に対する外科治療も行っています。

篠原 尚(しのはら ひさし)診療部長

交通アクセス

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〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1-1

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