兵庫医科大学病院
形成外科

肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)・傷あと

疾患概要

外傷や熱傷、炎症、手術創(手術でできた傷の部位)は、通常、時間とともに落ち着き、成熟瘢痕(せいじゅくはんこん:白い傷あと)になりますが、まれに赤くミミズ腫れのように盛り上がって目立つ傷になることがあります。これを「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」と呼びます。

原因・症状

肥厚性瘢痕の原因としては、「感染や異物、物理的刺激、創の深さ、張力、発生部位などの局所的要因」が多いと言われていますが、「体質、人種、性、年齢、ホルモンなどの全身的要因」もリスク因子となります。痛みや痒み、ひきつる感じなどの自覚症状が出ることもありますが、ケロイドと鑑別が難しく、オーバーラップするものもあります。

治療

治療には大きく分けて、保存的療法と外科的療法があります。保存的療法は色々な方法を組み合わせて行うことが多いです。

◆保存的療法

①圧迫療法
 テープ、スポンジ、シリコンゲルシートなどによる圧迫を行い、固定、安静を保ちます。

②外用療法
 ステロイド剤の入ったテープや、ステロイド剤軟膏で炎症を抑えます。

③局所注射療法
 ステロイド剤を創部に注射し、炎症を抑えます。

④内服療法
 かゆみの改善や炎症の抑制の効果のため、抗アレルギー剤を内服します。

⑤レーザー治療(保険適応外)
 赤みや凹凸の改善、炎症の鎮静化にレーザーを行います。

◆外科的療法

傷が限局している場合や、瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく:傷あとが引きつれて思うように関節などを動かせなくなる状態)が見られ、目立つ部位で醜状が問題となる場合などは手術適応となります。

手術では「肥厚性瘢痕・傷あと」を部分的、またはすべてを切除し縫合します。広範囲の場合は、植皮、皮弁形成などを行います。手術をしても傷が完全になくなることはありませんが、できるだけ目立たなくなるように工夫して行います。術後も保存的療法を併用し、再発予防を行う場合もあります。

形成外科

形成外科は、機能回復とQOLの向上を目的とする専門外科です。

形成外科は、主に体の表面のケガや変形、できもの、アザなどを治す診療科です。"傷を丁寧に縫合してきれいに治す""顔や手の骨折を元に戻す""皮膚の表面の腫瘍を取る""アザやシミを消す"などの役割があります。
顔(瞼(まぶた)、鼻、唇、耳)、手足、胸、腹、背中…どの部分も治療の対象です、もちろん、生まれつきの変形も含まれます。
形成外科の治療は手術が主体ですが、レーザー照射や注射、塗り薬や貼り薬、飲み薬も使います。
頭のてっぺんから足の先まで、お困りのことはご相談ください。

垣淵 正男(かきぶち まさお)診療部長

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交通アクセス

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住  所
〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1-1

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