歯科口腔外科


医科歯科連携で患者さんの“安心”を支えます
むし歯や歯周病の治療を中心とする一般歯科とは異なる、大学病院ならではの診療を行っています。
口腔がんなどの病気の治療はもちろん、医科との連携により、各科の手術などの治療成績の向上にも貢献しています。

▶ 歯科口腔外科の特色ある歩み
🏥全国に先駆けて取り組んだ手術前からの口腔機能管理
病気で手術を受けると、術後に肺炎を起こす場合があります。当院ではその予防策として、術前に口腔ケアや歯科治療を施す取り組みをいち早く行ってきました。
その結果、食道がんの術後肺炎は約5分の1に減少。口腔機能管理の重要性は全国的に認められ、平成24年度に保険適用となりました。
💊薬剤関連顎骨壊死の治療
骨粗しょう症やがんの骨転移の治療などに用いる薬は、まれに顎骨壊死を引き起こすことが約20年前に報告されました。
岸本裕充主任教授は、エキスパートとしてこの疾患の治療指針の策定に関わっており、当科には他府県からも多くの患者さんが受診します。

歯科医師21名、歯科衛生士6名、歯科技工士2名が、他科の医師や看護師らと連携しながら業務にあたっています。

▶ 舌や歯肉、頰の粘膜などに発生する疾患の診断・治療

舌がんや歯肉がんといった口腔がんをはじめ、さまざまな口腔粘膜疾患を扱っています。
悪性腫瘍に対しては、外科手術のほか、化学療法や放射線治療も行い、形成外科と連携して機能回復のための再建手術を実施することもあります。
▶ 特殊な装置で口の機能の回復を図る
腫瘍の治療や外傷などで顎の骨など顔周りの組織が失われたときに、特殊な入れ歯やインプラントを用いた装置を作って対応します。
言語聴覚士などとも連携して、食べる・飲み込む・しゃべるといった機能の迅速な回復を図ります。
▶ 周術期等の口腔機能管理
左のページでもご紹介した通り、当院では手術前の歯科治療や口腔清掃を積極的に実施し、術後肺炎や手術部位感染のリスク低減に取り組んできました。
化学療法・放射線治療中の口腔機能管理の実施も推奨されています。

大学病院の歯科衛生士・歯科技工士って、どんな仕事をしているの?

主に周術期の口腔ケアに携わっており、他の診療科との情報共有を大切にしています。
気管挿管中の患者さんの口腔ケアを担当する看護師向けに口腔ケア方法について研修を行ったり、兵庫医大の学生さんに災害時の口腔ケアについて講義をしたりすることもあるのは大学病院ならではだと思います。

詰め物や入れ歯を作る歯科技工士ですが、大学病院では、外傷や治療などで顎や周りの組織を失った方のために、顎の骨まで補う「顎義歯(がくぎし)」なども作ります。
特殊な作業ですが、QOL(生活の質)に大きく関わるものだからこそ、迅速さと緻密さを大切にしています。

▶ 日常生活でも周術期でもオーラルマネジメントが重要

口は食べ物や呼吸の入り口なので、口の状態は全身のさまざまな疾患に関連します。
当科では、歯科治療が全身疾患の治療に寄与できるという考えのもと、かなり以前から周術期口腔機能管理を積極的に実施するなど、独自の取り組みを行ってきました。
その重要性が全国的にも認められてきたのは喜ばしいことです。
生きる上で大切な「食べる」ことができる口をCREATE(つくる)ためには、オーラルマネジメントを意識することが大切で、その要素は「CREATE」という単語で表すことができます。
Eat(食べる)やEnjoy(楽しむ)ができないときには、CREATEのどこかに問題があるかもしれないと捉えてもらえたら、と思っています。

▶ 口腔がんの新しい治療法にも積極的に取り組んでいます

近年、口腔がんなど頭頸部がんのうち切除できないものに対して、新たな治療法が承認されました。光免疫療法(アルミノックス治療)という、光に反応する薬の投与後にレーザー光を照射する治療法で、国内でも実施できる医療機関はまだ少なく、口腔外科では私が日本で最初に指導医に認定されました。
当科では、標準治療を主体としながら、どんな患者さんにも常に選択肢を提示したいという思いで取り組んでいます。

舌や歯肉、頰の粘膜などに多い口腔がんは、自分で発見しやすいがんです。
口の中に痛い箇所やしこりがないかなど、ぜひ定期的にセルフチェックを!
口内炎が2週間以上治らないなど気になることがあれば、医療機関を受診して早期発見・早期治療につなげましょう。




