夜の検査室
輸血や細胞治療を安全に行えるよう
血液を使った検査や輸血製剤の管理を行う
患者さんからは見えない場所で
静かに検査機器を見つめながら
 
この仕事はとても繊細だ
もしも異なる型の血液を輸血したら
患者さんを命の危険にさらしてしまうから
「この方にこの血液は合うのか」
石橋を叩いて、慎重に、細やかに確かめていく
時には一人分の検査に2時間かかることもある

それでも、仕事が嫌になったことは、一度も無い

昨夜は救急車で運ばれてきた重症の患者さんのために
一晩中、何度も必死に血液を用意した

直接お顔を見る機会は少ないけれど
カルテデータの向こう側にいる患者さんが
回復したことに喜びを感じ、
今日も試験管に向き合う


臨床検査技師  杉山 寛貴