縁の下の想い


3年前、自宅で突然意識を失って倒れた
目が覚めると、病院のベッドで医療機器に囲まれていた
除細動器を体に埋め込み、
臨床工学技士の仲間たちにも世話になった

臨床工学技士は、医療機器のスペシャリスト
人工呼吸器などの操作や
内視鏡やカテーテルを使った検査や治療のサポート、
さまざまな医療機器の保守・管理などを行っている
僕は10年以上内視鏡業務を担当していて
機器の設定などを通じて検査や治療にも参加する

自分自身が患者になって
この仕事の役割や責任についてあらためて考えた
想いを持って働く仲間たちの姿に感じるものもあった

今、僕は、学会活動や講演などを通じて
臨床工学技士の存在意義や可能性を全国で訴えている
医療機器の専門家としてその力を存分に発揮できれば
医療の質は今よりきっと高くなる
患者さんのためにも、ともに働く医療従事者のためにも
もっともっと臨床工学技士の活躍の場を広げて
日本の医療を「縁の下」から持ち上げていきたい

 
 臨床工学技士 中野 智彦