ともにゴールを目指して


作業療法士として働き始めて今年で9年目
病気やけがで体を思い通りに動かせない人に
食事や入浴、着替え、家事など日常生活のための
動作ができるようリハビリを行うのが仕事だ

 これまでたくさんの患者さんを担当してきたけれど
どこをゴールにするかは一人ひとり違う
体の状態や心の状態、家族構成、生活環境、
どんな毎日を送りたいのかなど
その人の“今”そして“未来”をしっかりと聞き取って
一緒にゴールを目指す

入職3年目の時、同い年の脳腫瘍の患者さんを担当した
病気の進行が早く、できることがどんどん少なくなる中
「家に帰りたい」という本人の希望でリハビリを行った
彼女は家で不自由のない生活を送れただろうか
充実した時間を過ごせただろうか
もっとできることはなかったか、今も自分に問いかける

私たちが寄り添うのは、患者さんの生活、そして人生
教科書で学んだことだけではまったく足りない
日々勉強しながら、患者さんと一緒に精いっぱい頑張って
「できた!」と手を取り合って喜んでいる


作業療法士 藤田 紘平