兵庫医科大学病院
耳鼻咽喉科・頭頸部外科

口腔がん(舌がんなど)

疾患概要

口の中には様々な場所に悪性腫瘍ができることがあります。舌がん、口腔底がん、歯肉がん、口蓋がん、頬粘膜がん、口唇がんなどがあり、これらをまとめて口腔がんといいます。口腔がんの中で最も頻度が高いのが舌がんです。
口腔がんは、嚥下機能や構音機能に大きく関係している場所にできているため、治療をする上でこれらの機能をいかに温存できるかということが重要になってきます。私たちは悪性腫瘍の治療成績だけではなく、患者さん一人一人の生活の質を第一に考えた治療戦略を立てています。

原因・症状

舌がんを含む口腔がんの原因として、タバコやアルコールのほか、歯牙や義歯の接触による慢性的な物理的刺激があげられます。自覚症状としては、痛みや出血があります。舌がんは舌に硬結(しこり)ができます。進行がんになると飲みこみにくさや話しにくさなどが出現します。また頸部のリンパ節が腫れてくることもあります。しばしば口内炎と見分けがつきにくいことがあります。1か月様子をみても治らない口内炎は、一度受診されることをおすすめします。

検査

悪性腫瘍はある程度見た目でわかることが多いですが、確定診断のためには、病変の一部を採取して調べる病理組織学的検査が必要です。
また画像検査として、CT、MRI、PET-CTなどを行います。アレルギーや腎臓の機能の問題がなければ、CT、MRIでは造影剤を用います。これらの画像の検査で、口腔の病変の大きさや拡がり・頸部リンパ節への転移・全身への転移を評価し、ステージ(進行度)を決定します。

治療

口腔がんに有効な治療法として、手術、放射線治療、抗がん剤治療があります。

手術

第一に選択されることが多い治療法が手術です。早期がんであれば、切除の範囲が小さく、術後の機能障害も少なくてすみます。しかし、進行がんになると切除の範囲が大きくなり、欠損部に対して皮弁(腕や大腿や腹部の筋肉)の移植が必要になる場合があります。切除範囲が大きくなると、その分飲みこみや発語がしにくくなります。手術の後は言語聴覚士が介入し、嚥下や発音のリハビリテーションを積極的に行っています。

放射線治療

当院での放射線治療は、IMRT(強度変調放射線治療)が導入されており、従来の方法より腫瘍制御率の向上や合併症の減少が期待されています。また放射線治療は手術の後の補助療法としても使用されます。

抗がん剤治療

最近の発展はめざましく、多くの種類の薬剤が使用可能になりました。免疫チェックポイント阻害剤(オプジーボ、キートルーダ)を用いた最新の治療により、手術が受けられないような進行癌であっても長期生存が可能になる患者さんもいます。

メッセージ

患者様の症状を少しでも和らげるために最善を尽くしております。
お困りの方はお気軽に当科までご相談ください。

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

分野ごとに専門的な診療を行っています

聴覚・平衡覚・嗅覚・味覚などの感覚医学、頭頸部腫瘍の診療を行っています。鼓室形成術、人工内耳埋め込み手術、めまいの検査と治療、顔面神経麻痺、内視鏡下副鼻腔手術、手術用ナビゲ-ションシステムの応用、嗅覚・味覚専門外来、幼児難聴、補聴器外来、頭頸部がんに対する集学的治療を行っています。

都築 建三(つづき けんぞう)診療部長

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〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1-1

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