兵庫医科大学病院
小児外科

ヒルシュスプルング病

疾患概要

肛門側腸管の腸管壁内神経細胞の先天的欠如に起因する機能的腸閉塞症です。神経細胞の欠如は常に肛門から口側にいたる肛門側腸管に限局しています。無神経節腸管は正常な蠕動運動を欠いて狭小化し、腸閉塞症状を呈します。口側腸管は拡張し巨大結腸症とよばれることもあります。

原因・症状

消化管の壁内神経節細胞は胎齢5週から12 週頃にかけて、口側腸管から肛門に向かって順々に分布していきますが、この過程に何らかの異常がおこり途中で分布が止まってしまうことがこの病気の原因とされています。

胎便排泄遅延や腹部膨満、嘔吐などの症状で新生児期にわかることが多く、重篤な腸炎や穿孔を起こすこともあります。無神経節腸管が短い場合には、便秘、排便障害として治療され乳児期以降にわかることもあります。

検査

腹部レントゲンで、結著明な拡張を認めます。おしりから造影して腸の太さを調べる注腸造影検査で、拡がりが悪く細い無神経節腸管と正常腸管の太い口側腸管を認めます。

正常であればみられる肛門括約筋の弛緩反射が欠如していることを確認する肛門内圧検査(直腸肛門反射の欠如)を行います。神経の異常を顕微鏡でみる直腸粘膜生検(Ach-E陽性外来神経繊維の増生)で診断を確定します。

治療

治療は手術が必要です。神経節細胞の無い腸を切り取り、神経節細胞のある口側の正常の腸を引き降ろして肛門とつなげます。手術により約90%は正常と遜色ない排便機能が期待できますが、手術後に少し便秘や腸炎が残ることもありますので、手術後に排便を行うための訓練をしたり、おしりの機能を調べたりすることもあります。

小児外科

外科疾患から重症の先天性疾患まで、幅広くお子さんを診療いたします

小児外科は、生まれたての赤ちゃんから15歳までの子どもさんの外科疾患を担当しており、鼠径ヘルニアや虫垂炎などの日常的な外科疾患から、重症の先天性疾患を持つ新生児や小児がんの患者など、高度の専門的治療が必要な疾患まで、幅広く扱っています。
まだまだ小さな診療部門ですが、地域の皆さまに信頼され、次世代を担う若い方々にとっても魅力ある診療科となることを目標にしています。

大植 孝治(おおうえ たかはる)診療部長

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