兵庫医科大学病院
炎症性腸疾患外科

痔核(いぼ痔)

疾患概要

瘤(こぶ)状に膨らんだものを痔核(じかく)と言い、いぼ痔と呼ばれることもあります。歯状線(直腸と肛門の境目)より奥にできるものを「内痔核(ないじかく)」、歯状線より外の皮膚側にできるものを「外痔核(がいじかく)」と呼びます。

原因・症状

毛細血管にうっ血(組織内に静脈血が溜まっている状態)が起こることや、肛門を構成する筋肉や支持組織が弱くなることで痔核ができると考えられます。また、うっ血や支持組織が弱くなる主な原因には、排便時の怒責(どせき:いきむこと)が考えられます。

痔核が大きくなる主な要因としては「便秘(硬い便)でいきむことが多い」「下痢回数が多い」「排便時間が長くかかる」が挙げられますが、それ以外にも、妊娠中や出産時など血液の流れが悪くなる場合にも痔核が大きくなりやすい状態になります。他にも、「重いものを運ぶ仕事をしている時」「座る時間が長い時」なども痔核の要因となります。

痔核が小さい時には症状がないことが多く、大きくなると破れて出血したり、大きくなった痔核が肛門外へ脱出する「脱肛(だっこう)」を起こしたりします。歯状線の奥にできる内痔核の場合には痛覚(つうかく)がないため痛みはありません。脱肛を起こすようになると、「皮膚が引っ張られること」や「裂けること」で痛みが生じます。痛覚がある部分に外痔核ができるため、小さくても痛みを伴うことが多くあります。

治療

まずは、排便習慣の改善が必要となります。水分摂取や繊維質の摂取を心がけることや、硬い便とならないように下剤を使用することが必要です。排便時にトイレで新聞を読むなど長時間トイレにいるような習慣があれば改善が必要です。アルコールの多飲も痔核が大きくなる要因です。入浴など体を温めてマッサージすることは血流改善に良いと言われていますので痔核の治療に良いでしょう。

排便習慣の改善で良くならない場合には、痔の軟膏や坐剤(ざざい)を使用したり、血流を改善する薬を服用したりします。軟膏や坐剤の多くには、炎症や腫れを抑えるステロイドと痛みを抑える麻酔成分が含まれています。ステロイドを長く使用するとかえって皮膚に悪影響を及ぼすこともありますので、病院で相談しながらステロイドを使うことが大切です。

薬でコントロールできない場合には手術が必要となります。最近では血管を固める「硬化療法」という注射による治療が主流になってきています。または、痔核そのものをゴムで縛って小さくする「結紮(けっさつ)療法」も行われることがあります。脱肛など、重度のものでは痔核を切除する方法も選択されることもあります。

炎症性腸疾患外科

難病である潰瘍性大腸炎とクローン病を総合的に診療いたします

炎症性腸疾患は、原因不明の難治性疾患が多く、代表的な疾患として潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)があります。
難治性の炎症性腸疾患患者さんを、内科・外科が共観しながら、メディカルスタッフとともに総合的に診療いたします。
また、遠方の患者さんや長期経過の患者さんには、病診連携・病病連携を通じて地域の医療機関と共同した治療を行うよう努めています。

池内 浩基(いけうち ひろき)診療部長

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