兵庫医科大学病院
小児科

てんかん(小児)

疾患概要

てんかんは「脳細胞から発射される電気信号が乱れて体に何らかの症状(てんかん発作)が出現し、それを繰り返す」といった脳の慢性疾患の総称ですが、はっきりとした原因はよく分かっていません。体が震える「けいれん」だけが症状と思われがちですが、「意識が少し濁る(ぼんやりする)」「嘔吐を繰り返す」「突然目が見えなくなる」などの症状もあります。

てんかんは、発作症状や発症パターンなどから、数十種類に分類されます。「100人に1人はてんかん患者さんがいる」といわれており、発症のピークは小児期と高齢期にあります。また、てんかんは慢性疾患であるため、患者さんにおいては就職、運転免許の取得や妊娠・出産などのライフイベントに応じた対応が必要になります。

※参考:臨床てんかん学(2015).医学書院.

原因・症状

てんかんは「特発性てんかん」と「症候性てんかん」に分けられます。

原因が分からないものが特発性てんかん、何らかのダメージ(脳炎、髄膜炎、脳卒中など)が脳に起こったことで発症するものが症候性てんかんです。中には特殊な遺伝子異常によって発症するものもありますが、頻度は多くありません。

症状は多様で、最も有名なものは全般性強直(きょうちょく)間代(かんだい)発作という全身がガクガクと震えるけいれんです。そのほかに、体の一部、あるいは全体が一瞬ピクッとするミオクロニー発作、数秒間意識がなくなる欠神発作、少し長めに意識がぼんやりする複雑部分発作などがあります。

これらの発作パターンや病歴、検査結果などから、何かよく分からない「発作的」な症状を繰り返す場合は一度医師に相談しましょう。

検査

てんかんははっきりとした原因が分かっていないため、発作的な症状を繰り返す際には、てんかん以外の病気ではないことを調べる必要があります。症状に応じて血液検査、心電図、頭部画像検査(CT・MRIなど)を行うことがあります。また、てんかんを診断するには脳波検査が有用です。ただし、てんかんの患者さんが必ず脳波検査で異常が出るとは限りません。

診断に最も重要なのは「発作症状」であり、年齢や発作の出た時間帯、状況、発作の形などから判断します。発作の頻度や重症度によっては、入院の上、発作の動画を撮影しながら同時に脳波をとる検査(長時間記録ビデオ脳波モニター検査)を行うこともあります。

治療

てんかんの治療は内服治療が中心になります。また、睡眠不足や疲れも発作を誘発する要因になるため、規則正しい生活が必要です。内服治療では、毎日内服が必要です。薬剤の多くは脳の興奮を抑える作用を持つため、副作用として眠気やふらつきが出現することが多く、他にも発疹や肝機能障害などがありますが、薬剤によってさまざまです。

内服は長期にわたりますが、小児期では大体2~3年くらいの内服の後、減量を考えます。てんかんは一生内服治療が必要だと思われることもありますが、60~70%の患者さんが内服治療を終了することができます。ただし、てんかんの分類によってもかなり違いがあるため、医師に相談してください。

難治なてんかんの場合は、食事療法(ケトン食療法)、迷走神経刺激療法、てんかん外科手術なども考慮します。

小児科

こども達の健やかな成長をサポート

小児一般病床 20床、新生児室 27床(うち新生児集中治療室 15床)を有し、小児神経・筋疾患、小児腎疾患、新生児(NICU)、先天代謝異常症、小児内分泌、小児アレルギーなどの専門的な疾患の高度医療を行うとともに、感染症などの一般小児疾患の患者さんや、在宅医療が必要な患者さんにも対応し、診療を行っています。
地域のこども達の健やかな成長をサポートしていきます。

竹島 泰弘(たけしま やすひろ)主任教授

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