兵庫医科大学病院
消化管内科

大腸ポリープ

疾患概要

大腸ポリープとは、大腸の粘膜層(最も浅い層)の一部がイボのように隆起してできたものです。大腸ポリープは、大腸がん・腺腫といった「腫瘍性ポリープ」と、炎症性ポリープ・過形成性ポリープ・過誤腫性ポリープといった「非腫瘍性ポリープ」に分類されます。

大腸がんについてはもちろん、腺腫に関しても大腸がんへと変化する可能性があるため治療が必要となってきます。大腸がんは最初からがんとして発生してくる場合と、腺腫が悪性化して大腸がんとなる場合があり、腺腫のうちから治療を行うことによって、大腸がんを予防することができます。

原因・症状

牛・豚の赤肉あるいはソーセージ・ハムなどの加工肉の過剰摂取、喫煙、飲酒が大腸がんの発生リスクを高める生活習慣が原因であるといわれています。

また、一般的に大腸ポリープは患者さんが自覚する症状はありませんが、肛門近くにポリープができることにより、血液混じりの便が出たり、粘液のようなものが付着した便が出たりすることがあります。巨大なポリープの場合、便の通り道が細くなり、腹部膨満感、腹痛、排便異常の症状が出現することがあります。

検査

大腸ポリープを見つけるスクリーニング検査としては、便に血液が混じっていないかを調べる便潜血検査を行います。2回施行し、1回でも陽性と判定されれば、下部消化管内視鏡検査(いわゆる大腸カメラ)を行います。また、血便、腹痛、便が細いなどの症状があったり、家族歴・既往歴で大腸ポリープが疑われる場合も、内視鏡による精密検査が行われます。

内視鏡以外の検査としては、下剤内服の上で炭酸ガスによって大腸を拡張させ、CT装置を用いて撮影することでポリープに対する精査を行う検査(大腸CT検査)や大腸カプセル内視鏡検査があります。これらの検査は、肛門から内視鏡を挿入する必要はありませんが、病変の組織を採取したり、治療を行ったりするためには、再度内視鏡検査を行う必要があります。

治療

良性腫瘍(腺腫)や大腸の薄い層までにとどまる大腸がんに対しては、内視鏡的治療が病変の大きさ、形に応じて選択されます。

ポリープの茎に金属の輪をかけて切り取る、ポリペクトミーという方法、粘膜の下に薬液を注入して病変を持ち上げてから金属の輪をかけて切り取る内視鏡的粘膜切除術(EMR)、粘膜の下に薬液を注入した後に電気メスで周囲の粘膜から切開していき、病変の剥離を行う内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などがあります。

大腸の深い層まで達している悪性のものに関しては、外科的切除を行う場合もあります。

メッセージ

当院では、病院で下剤を飲む内視鏡検査、鎮静剤を使用し眠った状態でできる内視鏡検査、外来でのポリープ切除、入院でのポリープ切除など、患者さんの状態や希望に応えることができるように、さまざまな方法を取り入れています。また、内視鏡の種類も豊富に取り揃えており、患者さんの状態などにより適切に使い分けをしているほか、大腸カプセル内視鏡も行なっています。

大腸がんによって亡くなってしまう方を減らす一番効果的な方法は、定期的に大腸カメラを受けていただくことです。
ご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。

消化管内科

患者さんに安心して受診いただける、最善かつ最高の医療を

消化管内科は2022年7月に炎症性腸疾患内科と統合し、食道がん・胃がん・大腸がんなどの消化管腫瘍、クローン病・潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患(IBD)、および機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群などの機能性消化管疾患をはじめとして、消化管疾患の全般にわたって診療しています。
当院は、国内でも有数のIBD診療数を誇る施設であるとともに、早期がん内視鏡治療のハイボリュームセンターでもあります。
最善かつ最高の医療を提供するベく日々努力するとともに、患者さんに安心して受診いただけるよう、エビデンスに基づきつつ一人ひとりの病状に応じた丁寧な診療を心がけています。

新﨑 信一郎 (しんざき しんいちろう)主任教授/診療部長

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