すべての
脳卒中患者さんに
質の高い適切な治療を

脳卒中の診療においては、治療法の選択や精度が患者さんの生命や“その後”を大きく左右します。当センターは、脳卒中治療に特化した国内でも有数の施設として、あらゆる治療を提供できる包括的な役割を担っています。

〈脳卒中は3つの病気の総称です〉

【脳卒中】 
脳の血管になんらかの異常があって起こる脳血管障害を指します。
日本では主な死因や、介護が必要となった主な原因の1つになっています。

〈血管が詰まる〉
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①脳梗塞
 脳の血管が詰まることで脳に血液が送られなくなり神経細胞が死滅する病気。脳卒中の中で最も多いのが脳梗塞です。

〈血管が破れる〉
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②脳出血
 脳内を走る細い血管が破れて出血することで起こる病気。原因の多くは高血圧ですが、別の原因がある場合も。

③くも膜下出血
 脳の表面を覆う「くも膜」と脳の間で出血することで起こる病気。動脈瘤という「こぶ」の破裂によるものが最多です。

《兵庫医科大学病院 脳卒中センターの特徴》

① 超急性期の治療は時間との闘い24時間365日、最先端の診療を実施

在籍する専門医が多いため、夜間や休日でも迅速に最適な治療を進められます。脳血流の画像解析ソフトを導入するなど設備も充実。カテーテルを用いた再開通療法(血栓回収療法)の実施件数は国内トップレベルです。

医療者間のコミュニケーションアプリを利用し、救急隊や地域の医療施設等と正確な情報を共有。救急搬送の受け入れ態勢構築~治療も迅速に行うことができます。

② 脳卒中ケアユニット(SCU)を設置

超急性期の治療後はSCUという専用病床で、徹底した全身管理のもと点滴治療などを行います。脳卒中が起こった原因もこの段階で究明していきます。

③ 早期のリハビリと再発予防までトータルにサポート

発症後のリハビリテーションはできるだけ早く始めることが重要。そのため、SCU内に専用のリハビリ室を設けています。早期回復はもちろん、合併症および再発の予防を目指してサポートします。

脳卒中専門医や脳卒中リハビリテーション看護認定看護師をはじめ、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師などがチームでサポート。

〖専用の相談窓口も開設〗
患者さんとご家族を支援するため、専用の相談窓口を開設。社会福祉の専門家である医療ソーシャルワーカーが医療や介護の公的支援制度を紹介するなど、幅広く相談を承っています。

日本をリードする
包括的・先進的な施設として

兵庫医科大学病院 脳卒中センター
センター長 吉村 紳一  (よしむら しんいち)

かつては日本人の死因第1位だった脳卒中ですが、現在は第4位。これは治療法の進歩とも大いに関係しており、中でも脳梗塞の治療法の進歩は目覚ましいものです。兵庫医科大学病院 脳卒中センターでは、血栓回収療法という、患者さんの体への負担が少ない血管内治療を積極的に取り入れており、以前なら助けることが難しかった重症の患者さんにも治療が行えるようになっています。救急隊や地域の病院との情報共有を図るなどして迅速に診療ができ、そして、早い場合には入院当日からリハビリを開始できる体制を整えています。

一人ひとりの患者さんにとってのベストな治療をきちんと選択できるよう、今後も、どんな治療も行えるような包括的かつ先進的な施設であり続けたいと思っています。