20代の頃、私はいろんな仕事を経験した
人のためになる仕事がしたくて30歳で看護師になった

 乳がん看護認定看護師の資格を取ったのは
突然「がん患者」になってしまった人の気持ちに
寄り添いたいと思ったから
患者さんに向き合い、親身に話を聞く看護師長の姿に
「私も、私にできることをやりたい」と思ったのが
きっかけだった

 治療に伴う外見上の悩み、家族や生活のこと、再発……
患者さんはたくさんの不安や疑問を抱えている
身の回りにはたくさんの情報があふれているけれど
みんなに当てはまるような正解はない
一人ひとりにじっくりと話を聞き、その人の力を信じて
その人らしいベストな方法を一緒に考える

 看護師になって20年、この先私に何ができるだろう
繰り返す毎日をたんたんと過ごしてきたこれまで
でもきっと、そうして歩み続けてきたことこそが私の力
これからも、この場所で人のために働く私の姿が
誰かの力になるとうれしい


乳がん看護認定看護師 平野 ゆり