助産師になるきっかけをくれたのは
看護専門学校に通っていたときの担任の先生だった
現役の助産師でもあった先生がお産のことを話すとき
その顔はキラキラと輝いていて、その姿にあこがれた
 
お産はお母さんが100人いれば100人とも違う
中でもリスクの高い方が、大学病院でお産をする

助産師になってしばらくたった頃
とてもつらいお産を担当した
お母さんの落ち込む姿を見て、つらくて、悲しくて
無力感から大学病院をやめたいと思った
でもきっと、一度逃げたらもう助産師を続けられない
グッとこらえて、目の前の命にだけ集中した
 
その後も何度もつらく悲しい思いをしたけれど
それ以上に、お母さんやお父さんの喜びにもふれた
一つ一つの命、一人一人の患者さんと向き合うことが
自分自身と向き合うことだと気がついた 

助産師になって十数年
今の私は、あの頃の先生のように輝いているだろうか


助産師 清水 麻衣