白いこころ
かけ橋になる
救命救急センターの看護師だった頃、
容態が急変した患者さんを前に
医師がかけつけるのをただ待つことしかできなかった。
「自分には、何もできない……」
心の奥底からこみあげてくる、焦りと無力感。
すぐに医療行為ができないことに、
看護師としての限界を感じた――。
数年後、医師が作成した手順書に基づき
看護師が特定行為を行える資格があると知ったとき、
迷わず、すぐに手を挙げた。
今はもう、あのときのような後悔などない。
患者さんに付き添うことはもちろん、
人工呼吸器の調節や点滴の管理、
ショックを受けたご家族のケアまで行う。
「……あなたがいてくれて良かった。ありがとう」
患者さん、ご家族、そして医療従事者。
自らの業務の幅を広げ、三者の間でかけ橋となることで
円滑な治療が可能になる。
だから私はこれからも、
看護という仕事の可能性を追いかけていきたい。
特定看護師 徳田瑞枝