兵庫医科大学病院
乳腺・内分泌外科

乳房の石灰化

疾患概要

乳房にはしばしばカルシウムが沈着した石灰化が生じます。多くの石灰化はあっても問題ありませんが、中には乳がんが原因で生じる場合があります。一つの石灰化の大きさは1㎜以下と小さく、マンモグラフィーで発見されます。

石灰化で見つかる乳がんの多くは、しこりを形成しない非浸潤がんです。非浸潤がんも放置すればやがて浸潤がんとなります。浸潤がんとなれば一定の割合で再発しますが、非浸潤がんの段階であれば100%完治します。つまり、非浸潤がんの段階で見つけることが重要ということです。非浸潤がんはしこりにならないので自分で気づくことはできませんが、マンモグラフィーで見つけることができます。そのため、普段から乳がん検診を受けることがとても大切です。

原因・症状

乳房には小さなカルシウムの沈着が生じることがあり、これを石灰化と呼びます。いろいろな原因で石灰化が生じますが、多くは良性であり、放置しても問題ありません。しかし、中にはがんに伴って生じる石灰化があります。すべての乳がんに石灰化が生じるわけではありませんが、乳がん全体の2~3割程度に石灰化が生じています。

乳がんに伴って石灰化が発生する原因は、乳管が拡張して分泌液が溜まり、その中のカルシウムが沈着する場合と、乳管の中に発生した乳がんの中心部に壊死が生じ、その部分に石灰化が生じるものがあります。石灰化が生じても自覚症状が出ることはありません。マンモグラフィーを撮影して、初めて石灰化が見つかります。

検査

乳房の石灰化が見つけられるのは、マンモグラフィー検査(レントゲン撮影)です。1mm以下の非常に小さい石灰化が複数でき、それが白く写ります。この石灰化の形と広がり(=かたまっているか、区域に存在するか、全体に広がっているなど)で、がんによるものかどうかを判断しています。

がんが疑われる場合には、確実にがんを診断するため、ステレオマンモトームという検査で組織を採取し、顕微鏡で診断します。石灰化は非常に小さく、しかもマンモグラフィーでしか見つけることができません。従って、角度をかえてマンモグラフィーを撮影し、石灰化の位置を特定して、その部分から組織を取ります。

治療

石灰化で見つかるがんは、多くの場合乳管の中にとどまっている非浸潤がんです。腫瘤の塊ができる浸潤がんと違い、非常に早期の段階の乳がんです。手術でがんを切除することは必要ですが、乳房のがんさえ切除すれば、転移や再発することはありません。従って、再発を防ぐためにおこなう化学療法やホルモン療法は通常必要ありません。

乳腺・内分泌外科

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下田 雅史(しもだ まさふみ)診療部長

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