兵庫医科大学病院
乳腺・内分泌外科

乳がん

疾患概要

多くの乳がん患者さんは適切な治療を行うことで、治すことが可能です。乳がんの治療において重要なのは、その女性に最も適した治療を行うことです。一言で乳がんと言っても、それぞれの女性によって発生した乳がんの特徴は異なり、治療法も異なります。また、乳がんは手術だけでなく、「いかに再発を予防するか」という点も重要です。さらに、その女性の年齢や家庭環境も考慮して、治療法を選択する必要があります。

このように、それぞれの女性によって治療法は異なりますが、最適な治療を患者さんと相談しながら選択しています。どの治療法を選択するか、患者さん自身で決めるのは難しいこともあります。乳腺を専門とするスタッフが診断から治療まで担当しますが、医師だけでなく、乳がん専任の看護師や薬剤師が必要に応じて患者さんと相談の上で治療を行っています。

原因・症状

乳がんは女性にできるがんのなかで最も多く、日本人女性の11人に1人は乳がんになるといわれています。閉経後の肥満や血縁関係のある方に乳がんや卵巣がんがあると、乳がんを発症しやすいといわれていますが、どなたがなっても不思議はありません。

乳がんの発症には遺伝的な要因と、出産歴や授乳歴、食生活や生活習慣など、両方の要因があると考えられています。
 
乳がんでは多くの場合、乳房に塊(しこり)が出現します。その他、乳房の変形や乳頭の陥没、乳頭から血液が分泌することがあります。多くの場合痛みはありませんが、症状で乳がんかどうかを判断することはできませんし、症状がなくても乳がんの場合もあります。

検査

乳がんの検査としては、「マンモグラフィー検査(レントゲン撮影)」と「超音波検査」があります。マンモグラフィー検査では乳房を圧迫して撮影するため、痛みを伴うことがあり、体には影響がない程度ですが放射線による被ばくを伴います。一方、超音波検査には痛みや被ばくの心配はありません。

若い女性の場合、マンモグラフィー検査では腫瘤がわかりにくいことがありますが、石灰化(=小さなカルシウムの蓄積で早期のがんで見られることがあります)の診断に有用です。超音波検査は通常石灰化の診断は難しいですが、年齢に関係なく腫瘤を検出することができます。

乳がんかどうかを確かめるには、細胞や組織を採取して顕微鏡で診断します。そして、がんかどうかだけでなく、エストロゲン受容体やハーツ―受容体を調べ、乳がんの性格やどの薬が効くか、判断しています。

治療

乳がんの治療には「手術でのがん切除」と「薬物治療」があります。温存術ではがんが存在する部分の乳房だけ切除しますが、がんの範囲が広い場合は乳房全体を切除します。その場合、乳房を作る再建術を行うこともできます。また、腋窩(えきか)のリンパ節に転移がないかどうかを調べて、転移があれば周囲のリンパ節も切除します。

乳がんの薬物治療には化学療法(抗がん剤)、ホルモン療法(エストロゲン受容体陽性の乳がんが対象)、抗ハーツ―薬(ハーツ―陽性乳がんが対象)などがあります。さらに、がんだけに特異的に作用する分子標的薬もあり、正常の細胞には影響が少ないので、治療に伴うつらい症状は低く抑えられます。

乳腺・内分泌外科

最新、最先端の治療も取り入れ、患者さんに最適な治療を提供しています

当科では乳がんの診断から治療に至るまで、専門スタッフが幅広く対応しております。それぞれの患者さんに最適な治療を提供できるよう、最新の診断法や臨床試験による最先端の治療薬も取り入れています。

三好 康雄(みよし やすお)診療部長

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