兵庫医科大学病院
糖尿病・内分泌・代謝内科

副腎腫瘍

疾患概要

副腎はコルチゾール(ステロイド)、アルドステロン、性ホルモン、アドレナリンといった生命維持に必要なホルモンを作っている臓器です。副腎にできる腫瘍は、良性腫瘍や癌、血管腫などさまざまな種類があります。良性腫瘍でもホルモンを過剰に産生し、それによって高血圧や糖尿病などが引き起こされることもあります。
近年、人間ドックや副腎疾患の検査目的以外で画像検査が施行されることが多くなり、偶然副腎に腫瘍が見つかる頻度が増えています。当科では、近隣医療機関よりご紹介いただければ、入院の上、必要な検査や負荷試験を迅速に実施し、的確に診断を行い、治療へとつなげていきます。

原因・症状

偶然副腎に見つかった腫瘍の約半数は、ホルモンを過剰に産生しない良性腫瘍と言われています。残りの半数には、ホルモンを過剰に産生する良性腫瘍やがん、血管腫などさまざまな疾患があります。
「なぜ副腎に腫瘍ができるか」についてはまだわかっていませんが、一部のホルモンを過剰に産生する腫瘍は、特定の遺伝子変異が原因と言われています。
良性腫瘍でも、ホルモンが過剰に産生されると、そのホルモンに応じて症状が出ます。
・「コルチゾール」が過剰のとき
手足が細いのにお腹周りに脂肪がついたり、顔が丸くなったり、糖尿病、骨粗鬆症といった症状が出ます。
・「アルドステロン」が過剰のとき
高血圧、低カリウム血症といった症状が出ます。
・「性ホルモン」が過剰のとき
にきび、毛が濃くなるといった症状が出ます。
・「アドレナリン」が過剰のとき
高血圧、頭痛、動悸、多量に汗をかく、体重減少、便秘などの症状が出ます。

また、これらのホルモンが脳卒中や心不全を引き起こすこともあります。

検査

まずはCTやMRIなどの画像検査により、腫瘍のサイズや性状を確認します。次に、入院の上、血液・尿検査でホルモンの濃度を測定します。さらに、ホルモンが過剰に分泌されていないか評価するために、いくつかの負荷試験(カプトプリル負荷試験・生理食塩水負荷試験・デキサメタゾン抑制試験など)を行います。
これらの結果を総合的に評価し、診断を行います。

治療

腫瘍のサイズが小さく、ホルモンの分泌が過剰でない良性腫瘍は、定期的に採血やCTで確認しながら経過観察を行います。腫瘍のサイズが大きい場合やホルモンの分泌が過剰になっている場合は、「投薬」「手術」「ラジオ波焼灼術(自費診療 35万円)」などの治療が必要になることがあり、患者さん個々の原因や状態に応じた治療法を選択します。



当院の糖尿病・内分泌・代謝内科では、検査を迅速に行い、的確な診断を行える体制を整えています。「血圧の薬を飲んでいるのになかなか血圧が下がらない」「食事量は変わらないのに体重が増えてきた、顔が丸くなってきた」といった症状がある方は、ぜひ当科にご相談ください。

糖尿病・内分泌・代謝内科

生活習慣病から高度専門医療まで、皆様の健康長寿をめざします

糖尿病・内分泌・代謝内科は、糖尿病、高血圧など皆様に身近な生活習慣病から、1型糖尿病、副腎などの内分泌病、家族性高コレステロール血症などの遺伝病など、高度な専門性を必要とする病気まで幅広く対応しています。私たちのモットーは、目先の病気を治すことだけでなく、心臓、脳の病気、認知症、がんなどの予防医療に注力し、皆様と一緒に健康長寿、一病息災に取り組むことにあります。かかりつけ医師とご相談のうえ、今の病気の状態を一度見直してみませんか。

小山 英則(こやま ひでのり)診療部長

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