PET/CT検査についての注意点

PET/CT検査の限界:PET/CT検査にも限界はあります。

PET検査はがんの診断に優れた検査ですが、同時に診断能力に限界があるのも事実であり、万能ではありません。現在行われているFDG-PET検査ではブドウ糖代謝の多寡をもって異常を検出しています。
したがって以下のようながんでは検出率が低くなる事が知られています。これらのがんでは、他の検査のほうが検出率が高い可能性があります。また炎症にも薬がはいるため、がんと炎症の区別ができない事があります。

1.小さながん

PET装置の原理上の理由から、およそ1cm以下のがんではブドウ糖代謝が正しく評価できず、検出できない事があります。
例)上皮内癌や小さな早期癌

2.ブドウ糖をあまり消費しないがん

ブドウ糖をあまり消費しないがんでは薬が集まらず、検出されないことがあります。
例)肝細胞癌、前立腺癌、肺腺癌の一部、胃癌など

3.正常に薬が集まる部分に隠れてしまうがん

FDGは脳や扁桃腺、心筋、腎臓、膀胱などに正常でも集まります。これらの部位のがんでは薬が正常に集まっている状態に隠されて見えない事があります。
例)脳腫瘍、腎臓癌、膀胱癌など

4.がん細胞の密度が低いがん

腫瘍のなかで、がん細胞の占める割合が低いと平均化されて見えにくくなります。
例)のう胞癌、膵臓癌の一部など

検出率が比較的高い
肺がん、悪性リンパ腫、頭頚部がん、転移性肺がん、子宮体がん、など
検出率がやや低い
乳がん、食道がん、大腸がん、膵臓がん、子宮頸がん、卵巣がん、など
検出率が低い
早期がん、上皮内がん、腎がん、前立腺がん、膀胱がん、尿管がん、肝細胞がん、
胆管がん、など

注意:がん組織の細胞の種類によっては検出率の比較的高いがんでも検出が難しかったり、逆に検出率の低いがんでも検出できたりする事があります。

保険適応範囲:PET/CT検査の保険適応範囲

下記の疾患で一定の要件が満たされた場合に保険が適応されます。

悪性腫瘍
早期胃がんを除くすべての悪性腫瘍
腫瘍以外
てんかん、虚血性心疾患
保険適応を満たす要件(悪性腫瘍)

他の検査、画像診断(CTを除く)により診断(病期、転移、再発)が確定できない場合に対してのみ保険が適応。

※詳細については、PETセンターにお問い合わせください。