診療科について

ご挨拶
当科では大腸がん治療を中心に、小腸、大腸、肛門における良性、悪性疾患の外科的治療を積極的に行っています。
直腸・肛門疾患については根治性と機能温存のバランスに十分留意して治療を行っています。
当科の特徴は、進行した直腸がんでも集学的治療により出来るだけ肛門温存を図るようにしており、また再発した場合でも抗がん剤や放射線治療、そして手術療法を組み合わせることで「あきらめない」治療を実践しています。
池田 正孝 (いけだ まさたか) 診療部長
診療体制
8名の医師で入院・外来患者さんに対応しています。
進行がんは3週間以内に治療(手術、抗がん剤治療、放射線治療)を開始するようにしています。
治療方針については、消化管内科、肝・胆・膵外科、放射線科、病院病理部とも定期的に検討する場を設けて検討しています。
再発・転移に対しては他科とも協力して積極的な手術を行っています。
高度な専門医療
手術は腹腔鏡を用いた体への負担が少ない手術を第一選択にしています。また直腸がんに対しては、出来るだけ肛門温存手術を行うと共に、TaTMEと言われる肛門から手術を行い、がんの根治性向上が期待出来る新しい内視鏡手術を導入しています。
2018年末からは手術支援ロボット「ダビンチ」を使用した、体への負担が少ない、精緻な手術も行っています。
直腸がんの局所再発に対しても化学療法、放射線療法とともに、積極的に手術による根治切除を行っています。
主な検査・設備
ダビンチ手術システム
ロボット支援手術を行うためのシステムです。従来の腹腔鏡よりも精緻な手術が可能になります。機能温存が重要な直腸がん手術に有用です。
腹腔内腫瘍生検
お腹の中に腫瘍が見つかり、消化管内視鏡検査で組織が採取出来ない場合は、診断を付けるために手術でお腹の中の腫瘍を採取します。組織の一部を採取するだけなので小切開での開腹手術か、腹腔鏡手術で行います。
主な対象疾患と診療内容
初発大腸がん
初発大腸がんは、基本的に手術療法を第一選択としています。
周囲臓器に浸潤しているがんや巨大ながんに対しては、術前に抗がん剤や放射線療法等の集学的治療を行った後切除を行います。
再発大腸がん
再発大腸がんは非常に根治が難しい場合が多いですが、当院では積極的な治療を行います。直腸がんの骨盤内再発に対しても骨盤内臓全摘術や仙骨合併切除を行うことで治る症例があります。当院ではこのような超拡大手術を実施しています。
神経内分泌腫瘍・カルチノイド
手術、化学療法
GIST(直腸、小腸)
手術、補助化学療法、進行再発例に対する集学的治療(肝転移に対する塞栓術など)
鼠径ヘルニア
手術
(従来法に加えて腹腔鏡での修復術も行います)
腹壁ヘルニア
手術
(従来法に加えて腹腔鏡での修復術も行います)
直腸脱
手術
(従来法に加えて腹腔鏡での修復術も行います)
診療実績
2023年の診療実績
総手術件数 | 482 | |
全身麻酔 | 430 | |
腰椎麻酔 | 0 | |
局所麻酔 | 52 | |
初発大腸癌 | 254 | |
結腸癌 | 132 | |
直腸癌 | 108 | |
再発直腸癌 | 14(根治切除のみ) | |
開腹手術 | 148 | |
腹腔鏡手術 | 212 | |
ロボット手術 | 68 | |
その他(急性腹症、直腸脱、人工肛門造設・閉鎖など) | 約100 |
2022年の診療実績
総手術件数 | 428 | |
全身麻酔 | 366 | |
腰椎麻酔 | 4 | |
局所麻酔 | 58 | |
初発大腸癌 | 165 | |
結腸癌 | 83 | |
直腸癌 | 82 | |
再発直腸癌 | 29(根治切除のみ) | |
開腹手術 | 119 | |
腹腔鏡手術 | 199 | |
ロボット手術 | 48 | |
その他(急性腹症、直腸脱、人工肛門造設・閉鎖など) | 約100 |
2021年の診療実績
総手術件数 | 396 | |
全身麻酔 | 333 | |
腰椎麻酔 | 4 | |
局所麻酔 | 59 | |
初発大腸癌 | 115 | |
結腸癌 | 58 |
|
直腸癌 | 57 | |
再発直腸癌 | 22(根治切除のみ) |
|
開腹手術 |
124 | |
腹腔鏡手術 |
168 | |
ロボット手術 | 41 | |
その他(急性腹症、直腸脱、人工肛門造設・閉鎖など) | 約100 |